2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463320
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
石光 芙美子 目白大学, 看護学部, 専任講師 (00453457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | せん妄 / 質指標 / チームアプローチ / クリティカルケア看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、クリティカルな状態にある患者のせん妄の予防及び早期発見・対処には、チームアプローチによる介入の必要性が指摘されており、術後せん妄症状看護の質指標の構築を進めるに際し、チームアプローチの観点を踏まえた内容とするか、その検討が必要であった。そこで本研究実施計画を一部変更し、今年度は術後及びICUせん妄ケアにおけるチームアプローチの現状を明らかにすることを目的とした。 所属施設の倫理審査委員会の承認を受けた。対象は2014年時点で日本看護協会ホームページ上に施設と氏名を公開している集中ケア認定看護師とし、調査内容はせん妄ケアチームアプローチの実際やせん妄のスクリーニングおよびモニタリングのためのツールや、せん妄ケアのガイドラインおよび患者や家族へせん妄について情報提供する際の媒体の活用について質問した。また主なせん妄ケアについて実際の需要に対する充足の程度(以下、せん妄ケア充足度)について4段階の順序尺度で回答を求めた。 チームアプローチを実施しているのは171名(63.8%)で、その内容はmultidisciplinary team(以下、MT)51名(19.0%)、interdisciplinary team(以下、IT)38名(14.2%)、transdisciplinary team(以下、TT)82名(30.6%)で、97名(36.2%)がしていないと回答した。チームアプローチの3群(MT、IT、TT)と実施していない群の4群間で、せん妄ケア充足度平均得点を比較した結果、「適切な疼痛マネジメント」のみ有意差を認めず、その他の援助項目ではチームアプローチを実施している群の平均得点が有意に高かった(Bonferroni; p<.05)。またせん妄のスクリーニングおよびモニタリングのためのツールを活用していると回答した群の方が、全てのせん妄ケア充足度の平均得点は有意に高かった(t-test; p<.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近年の動向を踏まえ、本研究課題の達成に必要であると判断し、一部研究実施計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
【平成27年度】術後せん妄症状看護の質指標素案の作成【研究第1段階】および、術後せん妄症状看護の質指標案の完成【研究第2段階】に必要な調査の実施までを目指す。 具体的には「術後せん妄に関する看護」について国内外の文献検索(2000年から2014年まで)を行い、『術後せん妄前駆症状観察ツール』を構成する9因子毎に看護の質指標素案を作成し、看護の質指標素案の内容について、術後せん妄に関する専門家(エキスパート)15名から質指標の妥当性、重要性、実施可能性について評価をしてもらい、指標の修正及び精選を行う。評価の実施に際して、所属施設の倫理審査委員会の審査を受ける。 その後、前述のとおり作成した「術後せん妄症状看護の質指標素案」に関する質問紙調査について、所属施設の倫理審査委員会の審査を受け調査を実施する。「術後せん妄症状看護の質指標素案」に関する質問紙調査は、2015年時点で日本看護協会ホームページ上に所属施設と氏名を公開している集中ケア認定看護師及び急性・重症患者看護専門看護師を対象に、作成した質指標素案について妥当性、重要性、実施可能性、適切性の観点を、9段階の評価で回答してもらう。 【平成28年度以降】術後せん妄症状看護の質指標の構築【研究第3段階】に向け、データ収集開始までに研究フィールドの倫理審査委員会の審査を受け、前向きコホート研究デザインによるデータ収集を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況で述べたように、本課題の現状を踏まえ実施計画を一部変更して行ったことに伴い、その研究成果について学会および論文発表が次年度になること、また当初予定していた研究第1段階の遂行がやや遅れていることに伴う文献検索に係る費用に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度へ全額繰越し、研究成果の発表および文献検索のための費用へ充填する。
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