2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nursing quality indicators for postoperative delirium
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26463320
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
石光 芙美子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00453457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / 臨床看護 / 質指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
術後せん妄症状看護の質指標の構築をめざし、研究第1段階ではチームアプローチを基盤にした、せん妄ケアの確立が早急に求められていた現状から、術後及びICUせん妄ケアにおけるチームアプローチの実情と看護師の役割について、集中ケア認定看護師を対象にアンケート調査を実施した。チームアプローチを実施しているのは63.8%であったが、「適切な環境調整」や「安全に対するリスク評価と対応」、「家族への情報提供・精神的ケア」、「適切な睡眠援助」という看護師が中心となって行う必要のあるケアは、十分に実施されていない現状が明らかとなった。また術後せん妄発症後のケアとその評価が十分に行われていないことが示唆された。これらの結果から、術後せん妄症状看護の質指標の概念枠組みを、<未発症期><発症前駆期><発症重篤期><回復期>の4期に分け、ケア項目とアウトカムを整理することとした。研究第2段階では文献検討によって明らかになっていなかった次の課題に取り組んだ。1点目は<発症重篤期><回復期>における「せん妄ケアの目指すゴールやアウトカム」を抽出することを目的に、所属施設の管理者から推薦のあった専門看護師と認定看護師を対象にフォーカスグループインタビューを実施した。2点目に<発症前駆期>のケア項目を整理するにあたり、閾値下せん妄の概念を用いて術後せん妄症状看護の構築が可能であるか検討した。結果、前者は<苦痛や不安のない状態で、身体の状態そのものを回復できる>・<患者が日常性を獲得できる>・<せん妄による後遺症(長期的な影響)を残さない>の3つの看護アウトカム指標が抽出された。後者は術後せん妄症状観察項目として17項目が<発症前駆期>に観察された時点で、症状に関連してせん妄ケアを実施することで、せん妄の重篤化を回避できる可能性が示された。
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