2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463338
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
上條 優子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (40530431)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん看護 / 症状マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は初年度であり、A病院におけるがん患者の痛みをがん腫別、病期別、原因別に分類し、まとめた。現在集計中である。原因を特定することにより、効果的な緩和ケアを考えることが可能である。 また、国内のがん患者のための電話外来と電話相談について文献およびインターネットより調査した。電話外来とは、診療報酬として電話再診料を請求し診療を行っていることとした。電話相談とは、各施設が無料で行っているがん相談とした。医学中央雑誌version6では、「電話外来」というキーワードでは何も検索されなかった。「電話相談」で検索すると1412件がヒットした。「がん(腫瘍) 電話相談」で絞り込むと85件となった。電話相談の多くは、がん拠点病院が中心となり、平日の昼間の時間帯で行っていた。相談件数は1日0件から30件と施設により差があり、1か月の相談件数にすると1件から920件とさらに差が広がっていた。相談件数の多い施設は他施設の患者・家族、一般の人からの相談も受け、それは全体の相談の20%から30%を占めていた。相談内容は、医療費、現在受けている治療の妥当性、抗がん剤の副作用について、代替療法、在宅医療、医療者との関係など多岐に渡るが、治療の継続に関することも多かった。また、相談件数の多い病院では、相談件数は年々増えている傾向であった。以上のことから、電話などを使用して相談したいというニーズは高く、在宅での自己管理を有効にするためには気軽に相談できるシステム創りは必要であることが示唆された。海外の論文では、電話や端末機器を使用して、がん患者の症状マネジメントに効果があったと報告している研究が複数あった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的の1は、「電話や端末機器を使用し、在宅でがん患者の症状マネジメントの管理を有効に行う方法を見つけること」であるが、現在、日本でも電話やメールなどで気軽に相談できるシステムに対してはニーズが高いであろうことは予測される。海外の論文では、電話や端末機器を使用して、がん患者の症状マネジメントに効果があったと報告している研究が散見される。いずれも大切なことは、切れ目のない継続した観察を、専門家を含む多職種で行うことである。具体的な方法は今年度検討することとなるが、病院関係者だけでなく、在宅ケア関係者も含むことが大切だと考える。そのため、在宅ケア関係者を含む研究会議を今後設けていく予定である。どこを拠点として電話を受けるのかを検討することが今後大切になり、これが決定するとスムーズに研究が進むと考える。 以上のことから、現在までの達成度は、30%ぐらいであると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の経過を踏まえて平成27年度は、病院関係者だけでなく在宅ケア関係者を含め研究の進め方について話し合い、外来通院しているがん患者、または、在宅でセルフケアを行っているがん患者の症状マネジメントのケアの一つとして電話や端末機器も利用することを検討し、拠点となる施設を決定し、介入前後の症状緩和率、予防率、費用対効果について調査する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に電話や端末機器の対応者となる医療職者が決まらず、現在話し合いの途中である。そのため、当初予定していた電話や端末機器の購入は平成26年度に行っていない。今後は、在宅ケア関係者に協力を依頼する予定である。電話対応者などが決まれば、研究が進められるため電話や端末機器などの必要な物品の購入ができる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電話や端末機器の対応者を決定し、研究に必要な電話または端末機器を購入する予定である。病院関係者だけでなく在宅ケア関係者を含め話し合い、研究を進めていく。
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