2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463338
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
上條 優子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (40530431)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護管理学 / 臨床看護学 / 電話相談 / 在宅管理 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、在宅でがん患者の症状マネジメントを有効に行う方法を検討する研究である。平成27年度は、外来通院しながら抗がん剤治療を受けているがん患者の痛みの原因についての分析を行った。同意の得られた184名の情報を分析した。73.9%が何らかの痛みを感じていた。痛みの原因は腫瘍関連の痛みが46.3%、手術や抗がん剤治療により生じた痛みが33.8%、腫瘍と関係のない痛みが17.6%、原因不明が15.4%であった(複数回答)。がんの転移は72.8%にみられた。抗がん剤治療を受けている患者の病期、年齢、性別、がんの種類に係わらず約75%の患者がなんらかの痛みを感じていたが、痛みを感じていながら鎮痛剤を使用していない、若しくは鎮痛剤が不十分であると考えられる患者が多くいた。また、痛みを医療者に伝えず我慢している患者もいた。そのため、患者と話し合いながら、患者にとって良い結果につながるような関わりを考えていく必要があることがわかった。
次に、平成27年度は、病院関係者だけでなく在宅ケア関係者を含む医療者との研究会議を数回儲けた。そして、現在、在宅でがん患者の症状マネジメントの管理を有効に行う方法を見つけることを検討している。また、地域連携や在宅ケアの実態を知る必要があるため、B県内の訪問看護ステーションに協力を依頼し、訪問看護ステーションを利用しているがん患者の実態調査を行っている。具体的にはがん患者の数、病期、治療内容、痛みの有無、電話相談の頻度とその内容等を調査している。現在分析の途中であるが、地域連携に関しては、特に一人暮らしの高齢者であるがん患者は金銭面で苦慮しているため、訪問看護ステーション等を利用しにくいことがわかった。そのため、金銭的に苦しい患者の在宅管理の支援について考えていくことも重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究目的は、「電話や端末機器を使用し、在宅でがん患者の症状マネジメントの管理を有効に行う方法を見つけること」および「医療施設における電話外来などのシステム創りを検討すること」であるが、現在、在宅ケアのがん患者の状況と電話相談について実態調査を行っているため、その結果を反映して、症状マネジメントを有効に行う方法を検討していく予定である。これは、計画段階では平成26年度に行う予定であったが、現在勤務している大学の他の仕事との兼ね合いで、実施が遅れている。しかしながら、少しずつであるが研究は継続し進められている。
以上のことから、現在までの達成度は、50%ぐらいであると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に行った在宅ケアのがん患者の実態調査の解析を行い、その結果を元に、在宅ケア関係者を含めた研究会議を継続し、外来通院しているがん患者、または、在宅でセルフケアを行っているがん患者の症状マネジメントのケアとして電話も利用することを検討し、拠点となる施設を決定し、介入前後の症状緩和率、予防率、費用対効果について調査する予定である。
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Causes of Carryover |
現在勤務している大学内での人手不足のため研究遂行が困難であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に実施する予定だったものが、未実施のため研究費が使われないままでいる。しかしながら、平成27年度から研究が進み、今後平成27年度に実施した在宅ケアの実態調査に協力してくださった研究協力者への謝礼などが予定されている。また、平成28年度は、費用対効果分析のための研究が実施されるため、それに伴い必要物品の購入、研究協力者への謝礼などが必要となる。
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