2017 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of effective self-management methods for balancing cancer treatment and work
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26463342
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
楠葉 洋子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90315193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 可織 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (20338578)
藤野 裕子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (00259673)
澤井 照光 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50295078)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 倦怠感 / 外来化学療法 / パートナーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
がん患者の多くが感じている倦怠感のマネジメントを考える手がかりの1つとして、外来で化学療法を受けているがん患者の倦怠感とパートナーシップおよびQOLの関係について、長崎県内の2つの病院で外来化学療法を受けている20歳以上のがん患者68名を対象として質問紙調査を実施した。調査票の提出があった68名中、調査票完了者62名(男性33名、女性28名、未記入1名)を分析対象とした。平均年齢は64.1歳、平均罹病期間は2.1年であった。調査項目は、基本属性の他、倦怠感(身体的・精神的・認知的倦怠感で構成されている奥山らの日本版がん患者の倦怠感を評価する尺度・CFS(Cancer Fatigue Scale)15項目)、QOL(田崎らが開発したWHOQOL26質問用紙)、パートナーシップ(高山らの「パートナーシップ概念の検討」で抽出されたパートナーシップ属性を参考に作成した10項目)であった。パートナーシップ属性は、対等な関係、相互理解、合意形成、相互協力、共有で構成され、各々から2項目ずつ質問項目を作成し、その合計点をパートナーシップ得点(10点満点)とした。調査は長崎大学及び調査施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。パートナーシップ得点が高い人ほど、CFS下位尺度および総合得点が有意に低く、QOL得点は有意に高かった。また、パートナーが配偶者である方が総合・身体的倦怠感の得点が有意に低かった。パートナーは療養生活において、精神面での支えとしての機能をなしており、その得点の高さは、倦怠感の低さ・QOLの高さにつながっていた。慢性的に病気と付き合う本人とパートナーとの長期にわたる繋がりは、その関係を再調整し、さらに強める機会となりうる。その結果、倦怠感の緩和にもつながっていると考える。今回の研究で、倦怠感のセルフマネジメントにおいてパートナーシップの重要性が示唆された。
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Research Products
(3 results)