2015 Fiscal Year Research-status Report
一般病棟で死を看取る看護師の死後の処置や看取りに対する院内教育システムの開発
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26463346
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40369377)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看取り / 死後の処置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、一般病棟において死を看取る看護師が、患者や家族の予期悲嘆を考慮した、グリーフケアにつながる質の高い看取りケアを行うため、死を看取る看護師の精神的支援を考慮した看取りケアに関する院内集合研修プログラムを開発し、教育的支援を行うことである。 27年度は、遺族が有効であったととらえた看取り時の看護師の関わりについて、キーパーソンであり、がんで家族を亡くした経験のある遺族4名に半構造化面接を実施した。結果、死別対象は配偶者2名、同居する母親1名、同居する実姉、実兄1名(全員独身)であり、死別後2~8年経過していた。また看取り場所は、病院2名、在宅2名であった。 遺族が有効であったととらえた看護師のかかわりは、笑顔、挨拶、暴言に動じない姿勢や態度、患者や家族の気持ちを理解しようとする姿勢、丁寧な受け答えなど【接遇】、少しでも症状を改善させようとする気持ちや行動など【意欲】、家族不在時でも見たいテレビを見せてくれる心配り、ペースを合わせた食事介助など【最期まで患者の意欲を引き出すかかわり】、音楽会やキャンドルサービスなど【生きていることを実感させてくれるイベントへの参加】、家族にでもできる役割任命と遂行環境の整備、面会時間の調整、丁寧な清潔ケアの実施と清潔の保持、手足の冷たさなど家族が気になることへの継続した対応など【家族の心情を理解した上でのかかわり】、家族の頑張りを認めてくれる言葉かけ、介護以外の時間確保など【家族自身への心遣い】であることが明らかになった。 しかし、本調査において対象者の数の確保が予定通りに進捗していないため、引き続き調査を継続していく必要がある。一方で、有効であった看護師のかかわりよりも不満足であった場面や心残りに関する語りが多く語られていることから、今後はその内容についても分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本調査において対象者の数の確保が予定通りに進捗していない。
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Strategy for Future Research Activity |
遺族が有効であったととらえている看取りや死後の処置に関する看護師の関わりに関する本調査においては、対象者の確保および調査の実施が十分に実施できていないため引き続き行う対象者者を募り、面接などを実施する予定である。 また、看取りや死後の処置を行なう看護師への教育的支援についてヒアリングを行い、実態調査に向けての質問項目を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
当初計画より調査の対象者確保が遅れているため未使用分が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象者の確保において、謝金、調査実費等に使用予定である。また看取りケアに関する視察などにも使用していきたい。
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Research Products
(2 results)