2016 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞患者の褥瘡予防における多価不飽和脂肪酸栄養投与の検討
Project/Area Number |
26463355
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小川 薫 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (50177127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 佳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (20637102)
桑村 淳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (80615815)
山本 拓史 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50255684)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 予防 / エイコサペンタエン酸 / 栄養 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度も平成27年度に引き続き、多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(以下EPAと略する)の投与による褥瘡発生の予防効果を検討するため、褥瘡発生のハイリスクと考えられる意識障害を主訴に救急搬送されて入院した脳梗塞患者に対して、その効果の検討を行った。 対象および方法:Glasgow Coma Scale 12点以下で入院後4日以上の安静を予定している脳梗塞患者10例(平成28年度実績)(平成27年度は21例、平成26年度は22例)を対象とした。入院直後からEPA投与群6例と、対照群としてEPA非投与群(コントロール群)5例にわけ、14日間モニタリングし、新規の褥瘡発生頻度や各種パラメータについて比較検討した。 成績:EPA投与群は、コントロール群に比べて褥瘡発生が少なかった。また、EPA投与群はリンパ球の値が高値を示し、CRPは低値を示し、免疫能が高かった。 結論:褥瘡発生のハイリスクと考えられる中等症~重症意識障害のある脳梗塞患者の症例に対してEPAの投与を行うことは、炎症反応を抑制し、褥瘡発生の予防に貢献する可能性について示唆できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施症例数は、平成26~28年度の目標値の50症例に達した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は研究対象症例の研究成績の分析を進捗する。とくに分析する点は、1)褥瘡発生頻度の調査、2)褥瘡の程度の差の調査、3)褥瘡発生・非発生について炎症の抑制度との関連調査、4)褥瘡発生の特徴や機序を明らかにする。 また、平成29年度に研究成績をまとめ、その成果の学会発表(国内・とくに国外)を積極的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた国外学会出席が中止になった。研究実施に際して、物品など節約して使用したため未使用の金額が残った。残額は平成29年度に繰り越して、国内・国外の学会参加・発表などに使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
統計解析ソフト購入費や学会参加旅費などに使用予定である。
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Research Products
(5 results)