がん患者の就労に伴う健康問題の解決を促す看護ケア指針の開発

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26463356
• Research Institution: Juntendo University
• Principal Investigator: 岡本 明美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (20456007)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 宮津 珠恵 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (20638100) ; 眞嶋 朋子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (50241112)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 看護学 / がん看護 / 就労がん患者 / 就労支援 / 放射線療法

Outline of Annual Research Achievements

平成26年4月～8月は、過去5年間の国内外の文献検討を行った。具体的には「就労がん患者に対する支援の現状」「就労がん患者の体験」「就労がん患者を支援する看護師が抱える問題」等について検討を行った。文献検討の結果、がん患者の就労支援として、社会保障制度の活用やソーシャルワーカーによる支援、労働者・医療機関・企業との連携といった支援の仕組み作りや相談窓口の整備などが進められていることが明らかとなった。また、手術療法や化学療法を受けている就労がん患者の就労に伴う健康問題を明らかにした先行研究は多くあるものの、放射線療法を受けている就労がん患者の健康問題を明らかにした先行研究はないことが明らかになった。したがって、就労がん患者の就労に伴う健康問題の現状を明らかにするためには、放射線療法を受けている就労がん患者の健康問題を明らかにする必要があることが示唆された。また、がん患者の急性期医療に携わるジェネラリストの看護師ががん患者の就労支援を行う上で直面する問題や看護師が必要としている支援に関する先行研究はなかったため、次年度の研究を行う意義がより明確になった。
平成26年9月～10月は、外来で放射線療法を受ける就労がん患者の役割遂行に伴う健康問題と取り組みを明らかにするための研究計画を立案した。本研究は、外来で放射線療法を受ける就労がん患者を対象に、役割遂行に伴う健康問題と取り組みについて、半構造化面接を行い、質的帰納的に分析する予定である。
本研究計画は、平成26年11月末、順天堂大学医療看護学部研究等倫理審査委員会から「承認」を受けた。平成26年12月は、データ収集先である国立がん研究センター東病院の研究協力者3名と今後の研究の進め方の打ち合わせを行った。平成27年1月～3月は、国立がん研究センター東病院の倫理審査を受けるための準備を行った。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成26年度内に実施を予定していた外来で放射線療法を受けている就労がん患者に対するインタビュー調査について、平成26年11月末に研究代表者が所属する施設の倫理審査委員会の承認を得ることができた。平成27年1月または2月に、データ収集先である国立がん研究センター東病院の倫理審査に申請する予定であったが、国立がん研究センター東病院の研究協力者の業務量の関係から、書類の準備が整わず、申請することができなかった。そのため「遅れている」と評価する。

Strategy for Future Research Activity

今後は、本研究計画について国立がん研究センター東病院の倫理審査委員会の承認を得てデータ収集を行う。データ収集は研究協力者を増やし、平成27年度前半までには終了できるようにする。それと並行して、平成27年度に実施予定であるがん患者の急性期医療に携わるジェネラリストの看護師ががん患者の就労支援を行う上での問題と必要な支援を明らかにするための調査を行う。年度半ばまでに順天堂大学医療看護学部研究等倫理審査委員会の承認を受け、年度後半までにデータ収集を行う。

Causes of Carryover

外来で放射線治療を受ける就労がん患者に10名に対するインタビュー調査ができなかったため、テープ起こしに支払う分の予算を使用しなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

(1)インタビュー調査のテープ起こし代
(2)質問紙調査時の質問紙印刷代・郵送代・データ入力代
(3)国内の関連学会における知見収集に対する交通費・学会参加費