2014 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性動脈硬化症患者の身体活動の縦断調査と身体活動促進・維持のための看護介入開発
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26463367
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
石井 智香子 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (80151322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 晶子 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (30530349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PAD / 身体活動 / Euro QOL / 自己管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、閉塞性動脈硬化症患者(peripheral arterial disease: PAD)の身体活動を横断的・縦断的に調査し、身体活動の実態と3年間にわたる経年変化、およびこれらの関連要因の分析を行い、患者の病態の重症化予防・身体機能維持・QOL改善のための身体活動促進・維持を図る看護介入法を明らかにすることである。調査内容は、①24時間活動記録と加速度計による身体活動調査、②対象者のPAD重症度・病態、危険因子、併存症、治療・経過、③健康関連QOL(日本語版EuroQOL)、疾病の認識・自己管理状況などである。平成26年度は、横断調査(ベースライン調査)の実施・データ分析と、ベースライン調査を終了した対象者の追跡調査を開始した。 ベースライン調査の分析は、PAD患者の①身体活動の特徴、②QOLの実態、③疾病の認識・自己管理状況のついて実施した。PAD患者の①身体活動の特徴としては、全身体活動時間のうち運動は約1%であり、日常生活での運動強度は3Mets未満の低強度活動が約94%を占めた。身体活動量の多さは、PADの重症度の低さ、併存症がないこと、歩こうという対象者の認識の高さと関連していた。②対象者のQOLは、同世代の健康な地域住民と同様の値であり、重症度の低さ、歩行能力・身体活動量の多さ、疾病・治療への認識の高さが関連していた。③対象者の疾病の認識は、約90%の対象者が、PADは足以外の血管にも影響すると捉えていた。さらに自己管理状況は、服薬の遵守率は極めて高いものの、歩行・運動、食事、足の傷に注意する者は全体の約50-70%であった。これらの自己管理は、重症度、歩行能力、糖尿病などの危険因子・併存症などと関連していた。 上記の分析は途中経過ではあるものの、PAD患者の身体活動促進・維持に主眼を置き、重症化予防・身体機能維持・QOL改善をはかるための看護介入法開発に重要な視点を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
横断調査(ベースライン調査)が研究実施施設での職員の配置換などをはじめとする研究体制の変更により、当初の計画通りの日程で対象者のリクルートが進まなかった。このため、横断・縦断調査期間の延長を倫理委員会に再申請し承認を得た。その後、新規対象者のリクルートを行ったが、選択基準に沿う新規対象者は当初の見込み数より少なく、本研究における対象者数は目標対象者数を下回った。なお、ベースライン調査を終了した対象者の追跡調査は、ほぼ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、ベースライン調査を終了した対象者の3年間にわたる追跡調査を継続し、身体活動の経年変化・病態の経過などとその関連要因を明らかにする。また、平成27年度は、ベースライン調査で得られた結果を論文として投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年2-3月のベースライン調査で、新規に対象者となる対象者数を見込んで対象者への謝礼・調査にかかわる郵送費を残さざるを得なかった。また、平成26年度から開始しした1年目追跡調査の対象者のうち、平成27年の年明け以降に調査を実施した対象者への謝礼・郵送費の立替費が未払いである。さらに上記の期間のベースライン調査および追跡調査にかかわる協力研究者への謝金である人件費が不確定であったため、助成金を残さざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の早期に、上記の未払い分の支払いを行う。
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Research Products
(3 results)