2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26463371
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
國清 恭子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (90334101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 洋子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10269334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 出産体験 / 心理的健康 / アセスメントツール / 有効性 / 産褥期 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、アセスメント項目案の作成にあたって、以前実施した経腟分娩をした母親16人(初産・経産、自然分娩・誘発/促進分娩・吸引分娩・無痛分娩含む)のインタビューデータを内容分析し、得られたカテゴリーをアセスメント項目候補として整理した。 また、不足していた帝王切開分娩をした母親の出産体験の内容を明らかにするために、帝王切開にて出産した産褥早期の母親9人に面接調査を実施した。得られたデータを内容分析した結果、緊急帝王切開で出産した母親の出産体験からは、【思わぬ緊急帝王切開に気持ちや理解が追い付かなかった体験】【母親として自分と子どもの生命を危惧して出産した体験】など11カテゴリー、予定帝王切開で出産した母親の出産体験からは、【自身のリスクを憂慮し、妊娠・出産における安全・安楽を切望した体験】【自分なりに帝王切開に備えることで落ち着いて帝王切開に臨んだ体験】など7カテゴリーを抽出した。これらのカテゴリーやサブカテゴリーをアセスメント項目候補として整理した。しかし、今回の面接調査においては、経腟分娩経過中に分娩停止等で緊急帝切に切り替わったケースも含める予定であったが、研究期間中に該当し同意を得られるケースがなかった。また、前置胎盤や母体合併症など産科的ハイリスクを有する対象者が多かったことから、母体合併症の無い骨盤位など比較的リスクの低い予定帝王切開をした母親のデータを加える必要性も課題として残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アセスメント項目案作成にあたり、データとして不可欠と考えている経腟分娩の途中で緊急帝王切開となった対象者のデータが得られなかったため、現在引き続き追加データを収集中であり、アセスメント項目案の完成に至れなかったため後続の研究に遅れが生じている。 現在、経腟分娩における出産体験、H28年度に実施した調査で明らかになった帝王切開分娩における出産体験、および以前に帝王切開分娩した母親を対象に実施したアンケート調査の結果も踏まえて作成した暫定的なアセスメント項目案について、専門家間で妥当性の協議を進めており、今後追加収集する帝王切開分娩で出産した母親のデータを加えて完成させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は早い段階で現在進行中のアセスメント項目案の最終決定が終了する見通しであり、それに続いてパイロットスタディおよび本調査を実施し、ツールの信頼性・妥当性の検討を進めてていく予定である。それらの研究成果については、学術集会で報告する予定である。 また、研究分担者との連携を密に行い、研究実施計画の調整を随時行って進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた調査について追加調査の必要性が生じたため、引き続きデータ収集中であり、後続の研究実施にも遅れが生じている。そのため、質問紙印刷等の費用、調査にかかる旅費、データ入力作業を依頼するための謝金等の予算が執行できていないため、研究費の未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進めている調査、およびその後に予定している質問紙調査に関連して、印刷費や通信費、記録メディア、データ収集後の逐語録作成、資料整理やデータ入力を依頼する研究補助者への謝金、消耗品の補充等へ充てる予定である。また、研究テーマに関連した学会への参加や成果発表、研究依頼および打ち合わせ会議等の旅費として使用を予定している。
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