2014 Fiscal Year Research-status Report
栄養バランス管理プログラムを用いたDM, GDM既往女性への食事指導
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26463392
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Research Institution | Hirosaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 厚子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 准教授 (20320608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GDM / 栄養バランス / 栄養バランス管理システム / DM |
Outline of Annual Research Achievements |
1.妊婦の食品材料摂取頻度調査 平成26年度に食品材料摂取頻度調査を行った妊婦は60人であった。食品材料とは穀物、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、豆・豆製品、淡色野菜、緑黄色野菜、果物、油、砂糖の11項目である。一周間のうちの3日間の食事内容を食事表に記述してもらい、1,600kcalの標準栄養バランス表ソフトに入力する。妊婦を肥満体型(Body Mass index; BMI 25≧kg/m2)、普通体型(18.5≦BMI<25 kg/m2)、やせ体型(BMI<18.5 kg/m2)に分け、妊娠初期におけるBMIと食品摂取頻度との関連を検討した。肥満体型妊婦は8人、やせ体型妊婦は13人であった。食品摂取頻度を分析した結果、やせ体型と普通体型妊婦における各項目の食品材料摂取頻度は差がなかったが、肥満体型妊婦は普通体型妊婦と比較して穀類、肉、砂糖の食品摂取頻度が有意に低かった(それぞれ、p<0.05、p<0.05、p<0.01)。このことは肥満妊婦の多くが摂取エネルギーをコントロールしていることを窺わせた。GDM妊婦は2人とも肥満体型妊婦であり、共通して砂糖の摂取頻度がモデルとなる標準摂取頻度の2倍であった。以上のことから肥満体型で砂糖の摂取頻度が高い妊婦はGDMになる可能性があると考えられた。 2. 「栄養バランス管理装置及び栄養バランス管理プログラム」の充実 プログラムにはすでに約5,000件の食事内容が内蔵されているが、更に出産年齢女性層の食事内容調査により、約200件の食事内容を更新している。また、スマートフォンでの入力を可能にするため、以下の改良を行っている。①みそ汁 + 材料の種類 などのようにAND検索を行えるようにする。②月を跨いだ場合の3日も評価できるようにする。③「連続した3日」未満でも評価できるようにする。④データの不備の修正およびデータの追加。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品材料摂取頻度調査は概ね順調に進んでいる。対象者は妊娠期間中3回の食品材料摂取頻度調査を行うが、継続率の推移が問題である。しかし、妊娠初期においても不定愁訴がある妊婦は肥満体型、普通体型、やせ体型とも同率であり、体型別の食品材料摂取頻度の特徴は今後人数を増すことによってより信憑性があるものとなる。また、GDM、DMの妊婦にはより積極的に調査の協力をして頂くようにしているなど、病院の協力体制は充分である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.妊婦の食品材料摂取頻度調査の継続 平成26年度と同様、妊婦の調査人数を確保する。目標は300名である。妊婦の体型によって食品材料摂取頻度に違いがあるかを明らかにする。更にDM、GDM妊婦の食品材料摂取頻度の特徴を調査する。 2.食事指導介入 産後1か月のDM、GDM産婦に栄養バランス管理システムを用いた食事指導を行う。産婦に管理システム運用方法を教示し、産婦自ら入力、分析が行えるように援助する。人数は10名を目標とする。 3.「栄養バランス管理装置及び栄養バランス管理プログラム」の充実 平成26年度と同様、食品数の増加を図る。また、スマートフォンやタブレットでの使用がスムーズになるようにシステムを整える。
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Causes of Carryover |
1.栄養バランス管理装置及び栄養バランス管路プログラム改良の経費確保が必要である。スマートフォンやタブレットでの入力を可能にするため、以下の改良を行っている。①みそ汁 + 材料の種類 などのようにAND検索を行えるようにする。②月を跨いだ場合の3日も評価できるようにする。③「連続した3日」未満でも評価できるようにする。④データの不備の修正およびデータの追加。 2.更に今年度は対象者を大幅に増やし、食事指導介入を開始するため、謝金が生じる。 食事指導のためのタブレットを購入する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.栄養バランス管理装置及び栄養バランス管路プログラムの改良を業者に委嘱している。 2.調査対象者には終了後、謝礼をする。また、食事指導介入者にはタブレットを貸与する。
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