2016 Fiscal Year Research-status Report
両親の声かけに対する極低出生体重児の自律神経系反応の理解を促す介入効果
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26463393
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
堀金 幸栄 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90588857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (20216758)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
佐藤 真由美 亀田医療大学, 看護学部, 准教授 (40375936)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 早産児 / 声 / 音声分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:保育器に収容されている早産児への声かけを想定し、両親と他者の音声を区別するための分析ツールを探ること。 方法:保育器内の早産児模型人形に対し、看護師4名、男性医師1名に同様の声をかけてもらい録音したが、臨床現場は雑音が多く音声分析が難しかったため、一般女性2名の音声サンプルを便宜的に選出しプレテストを実施した。音声は同じ言葉の単語を使用し、詳細な音声分析をするために「せ」の一語を抽出し比較した。なお、ヒトの耳で聞こえないとされる26,000Hz以上はカットする処理をした。 結果:対象Aの全データ点数は5882、音声変動範囲は-20,614.0Hz~25,622.0Hzであった。対象Bの全データ点数は5,779、音声変動範囲は-10,806.0~14,305.0Hzであった。時系列データ図の比較では、対象Aの振動の振れ幅が大きく声が大きかった。それに比べ対象Bは振れ幅が小さく声が小さかった。スペクトル密度図の比較では、対象Aは15,000Hzまでの高音が多く、5,000~8,000Hzの低音密度が低く落ち込んでいた。対象Bは5,000~8,000Hzの低音周波数の音が出ており、12,000Hzから15,000Hzまで高音の周波数が減っていた。 考察:2名の音声データを、実際に聞き比べてみても違いを感じることができなかったが、MemCal/winV1.2を用いて音声分析を行った結果、ヒトの耳では感知できない音声の大きさや周波数に違いが見られ、2名の「声」は明らかに異なることがわかった。今後NICUにおいて声かけの音声分析を遂行するが、臨床現場では様々な雑音の中、どのように良い状態で声を録音するかが課題となった。 結論:一般女性の音声サンプルデータを用いて音声分析を行った結果、同じ言葉を発しても、時系列データ図やスペクトル密度図の比較において、「声」を区別できる可能を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力施設において、中心となって研究を進める協力者が長期入院となり、別の施設に研究協力を依頼することになり、臨床での研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新規研究協力施設のNICUにおいて研究を始めるにあたり、幾度も検討をすすめてきたが、基礎となる研究を済ませてから臨床での研究に移ることとなった。今後、基礎研究を踏まえて臨床での研究に移る予定である。
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Causes of Carryover |
研究が遅れており、研究期間を延長した。次年度にデータ収集を実施し、学会発表を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規の研究協力施設においてデータ収集を行い、音声分析や両親の対児感情に関するアンケートの分析を行なう。 経費としては、データ収集に関する交通費、研究協力者への謝礼としてハンドタオル、データ入力の際の研究補助者への謝金などの経費を予定している。 研究データがまとまり次第、関連学会への発表を予定しており、その際の交通費や宿泊費が計上される予定である。
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Research Products
(1 results)