2016 Fiscal Year Research-status Report
周産期女性のウェルネスを目指した妊娠早期からのケアシステムの提言
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26463407
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関塚 真美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 妊婦 / ストレス / ストレス対処能力 / SOC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は周産期女性のウェルネスを目指した妊娠早期からのケアシステムを提言することである。調査時期は妊娠早期から産後1ケ月までであるが、本年度はデータ収集の途中段階であり、主に妊娠初期の妊婦の調査結果について公表した。2施設を対象施設とし、妊婦50名から協力を得て、質問紙調査を実施した。そのうち有効回答が得られた48名を分析対象とした。調査内容は年齢や出産歴、妊娠経過などの基礎情報、ストレス認知の指標としてStress Perception Scale (以下SPS)、ストレス対処能力の指標としてSense of Coherence短縮版(以下SOC)を用いた。SPSは日常生活のストレス7項目(仕事・家事・育児、家庭内の問題、社会に対して、金銭面、自分の健康、生活環境、近所付き合い)についてストレスと感じている程度を0-10段階の尺度で調査した。 対象者の平均年齢は30.8±4.8歳(19-39)、調査時の妊娠週数は平均14.0±2.9週(10-20)、SOCの平均は61.6±10.4(40-82)であった。SPSの評価より最もストレスを感じていたのは仕事・家事・育児(5.3)で、2位は金銭面、3位は自分の健康であった。また、SPSとストレス対処能力の指標としたSOCには有意な負の相関があった(-0.63、 p<0.01)。すなわちストレス対処能力の低さとストレスの認知の強さが明らかになった。従ってSOCが低い妊婦に対してはストレス内容を確認し、ストレス軽減やストレス認知を変容できるような支援が求められることが示唆された。 次年度には現時点で未回収のデータが蓄積される予定であるため、引き続きデータ分析と成果発表を行う予定である。 また、分娩期のストレスとその軽減に関する論文をまとめ、投稿を行った(次年度日付で掲載予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた対象者が途中で転院になったり、転居となったりというケースがあり、当初の予定人数にやや達していない。次年度に可能な限りエントリー数を増やす予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には現時点で未回収のデータが蓄積される予定である。また途中の脱落を想定し、引き続き妊娠早期の対象者数を増やし、データ分析と成果発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年7月24日~平成27年7月31日まで産休・育児休業を取得したことにより、平成27年度以降に持ち越しとなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度にデータ収集を継続する。また成果発表による旅費および論文作成に伴う英文校閲に使用予定である。
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Research Products
(1 results)