2017 Fiscal Year Research-status Report
周産期女性のウェルネスを目指した妊娠早期からのケアシステムの提言
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26463407
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関塚 真美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 妊産婦 / ストレス / 周産期 / ストレス対処能力 / ウエルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は周産期女性のウェルネス向上を目指した妊娠早期からのケアシステムを提言することである。これまで妊婦のストレス状態は妊産婦の健康状態と関連があることを明らかにしてきた。すなわちストレスが高い妊婦に対する妊娠早期からのケアの重要性が示唆された。この研究成果を踏まえ、本研究は妊娠期から担当制の継続ケア(助産師外来を含む)を受けているか否かと妊娠経過や産後うつの関連を明らかにすることを目的とした。 平成29年度に主に行ったことは以下である。妊娠期に妊婦がどのようなストレスを感じているかを明らかにし、ストレスおよびSense of Coherence短縮版(以下SOC)と切迫早産の関連を明らかにすることを目的とした。対象施設は2施設で、妊婦75名から協力を得て質問紙調査を実施した。そのうち有効回答は68名であった。調査は妊娠前半期と妊娠後半期の2時期に行った。妊娠前半期に年齢や出産歴、既往歴などの基礎情報、ストレス認知の程度、SOCなどを調査した。妊娠後半期には妊娠経過、ストレス認知の程度、SOCなどを調査した。対象者の平均年齢は31.0±4.6歳(19-40)、SOCの平均は63.8±12.1(40-84)であった。最もストレスを感じていたのは仕事・家事・育児(3.9)であった。SOCが低い群(≦62)はSOCが高い群(>62)に比べ、切迫早産の割合が有意に高かった(p<0.05)。また、切迫早産群は非切迫早産群に比べて妊娠前半期のストレス認知度が有意に高かった(p<0.01)。 SOCおよびストレス認知の程度と切迫早産の関連が明らかになった。とくに妊娠前半期のストレスと切迫早産の関連があったことから、妊娠前半期の支援の重要性が示唆された。 今後、サンプル数を増やし、前年度までの継続ケアと産後うつの関連を含め、これまでの研究成果を公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の産休および育児休業の取得により、予想以上にデータ収集に時間を要したことにより、予定通りの遂行が難しくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果で、サンプル数が少ないことが研究の限界として挙げられる。従って、延長年度にサンプル数を増やし、成果を公表する。また、周産期女性のウェルネス向上を目指した妊娠早期からのケアシステムを提言するために、産科施設や地域の母子保健に従事する専門職とともにシステム確立に向けた具体的指針を検討する。
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Causes of Carryover |
産休および育児休業から復帰後には予定通り研究遂行できる見込みだったが、実際に研究を再開したところ、予想以上にデータ収集に時間を要したことにより、予定通りの遂行が難しくなったためである。 次年度使用額は1,405,192円である。使用計画は、データ収集およびストレスホルモンの定量化のための実験器具や検体分析のための試薬購入費および測定の外部委託費として900,000円が必要である。さらに論文校閲料として200,000円、成果発表のための旅費および消耗品として305,192円を予定している。
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Research Products
(4 results)