2016 Fiscal Year Research-status Report
マタニティ・ヨガの妊娠・分娩改善効果に関する科学的検証
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26463409
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金子 洋美 岐阜大学, 医学部, 助教 (00632803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 良子 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (50242748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マタニティ・ヨガ / 安産 / 身体的効果 / 開脚 / 呼吸 / 主体的な取り組み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヨガのストレッチによる開脚度の定量化と、呼気時間に現れる効果を明らかにすることである。さらに、分娩時の所要時間、会陰裂傷度合、APスコアとの相関を明らかにすることである。 1.計測ツールの周知と改良については、開発し実用新案を取得した「開脚度測定器」について得られた意見を集約し、基本構造を確定したうえでより簡便で安全な測定機器の改良を行った。第3号器の重量は325g、全長70cmとなり、軽量化と可搬性が向上した機器となった。 2.開脚度の測定および運動効果の定量的解析については、開脚度を向上させるのに速効性があるヨガ運動の効果について、妊婦と指導者の反応を明らかにした。妊婦の反応は、効果がわかってうれしい、ヨガ教室に通った回数だけ、開脚出来るようになっているなどであった。ヨガ指導者の反応は、測定器を大腿にあてがえば瞬時に測定が可能であるため、妊婦は負担なく苦痛なく測定出来ている、分娩時の開脚の必要性が認識できる、などであった。これらの測定には時間がかからないため、ヨガプログラムに支障をきたすことはなく、実施前後に妊婦各自が測定するため、ヨガ指導者が測定する負担がないものであることが分かった。また、ヨガ運動による被験妊婦の呼気時間に現れる変化を解析した。その結果、ヨガ運動前とヨガ運動後の呼気の長さの平均値を比較すると、呼気の長さの延長が認められた。よって、ヨガ運動は妊婦の呼気時間を延長させるのに速効性があることが明らかになった。 3.ヨガ指導者への周知については、機器を用いたヨガ運動の効果を明らかにする取り組みは、母親が主体的に妊娠期を過ごすことに繋がった。これらの取り組みについて公表したことは、ヨガ指導者の達成感の向上に寄与したと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)開脚度・呼吸の長さのデータ収集および定量的解析については、協力施設数を増加したことにより、データ収集数は目標数におおむね達成した。定量的な解析は続行している。 2)運動効果出現時期の特定、ヨガの継続回数と効果との相関の把握については、ヨガの継続回数と効果との相関の把握をしている。妊娠後期や分娩時期に近くなってからヨガ教室を受講する対象者が多いため、妊娠中期のデータの収集をしている。 3)ヨガと安産(分娩所要時間・会陰裂傷・APスコア・満足度スコア)との相関把握について、妊娠中期のデータが揃った後、ヨガと安産について解析を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26~28年度の成果をもとに、分娩時の所要時間、会陰裂傷度合、APスコアとの相関を明らかにする。これら成果の発表(論文作成等)を行い、マタニティ・ヨガ実施施設に成果の報告を行う予定である。
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Research Products
(3 results)