2014 Fiscal Year Research-status Report
肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデル構築
Project/Area Number |
26463414
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 紋佳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10437791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 俊治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10532856)
林田 真 九州大学, 大学病院, 助教 (70452761)
濱田 裕子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60285541)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 准教授 (80345529)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体肝移植 / 子ども / 家族 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
1.肝移植後の子どもと親の療養生活の実態調査 肝移植後の子どもと家族の療養生活の実態を明らかにするために、学童~思春期までの子どもとその親子11組に対し調査を行った。 2.子どもと親のQOL維持・向上のためのモニタリング指標の作成のための文献検討 肝移植後のQOL、QOLに関連するアドヒアランスや移植の体験に関する研究、また他の小児慢性疾患との相違等にも着目して国内外の文献より検討を行った。 1,2より子どもと親のQOL維持・向上のためのモニタリング指標案を作成した。実態調査の結果では、子どもの療養生活の実態と療養行動上の問題が明らかとなった。特に、思春期の子どもでは、今回の対象は免疫抑制剤の内服以外は普通の生活を送っていたが、移植を受けた時期や移植・治療に対する捉えが、療養行動や疾患管理の捉えに影響していた。疾患管理の中心は、発達段階に関わらず、免疫抑制剤の内服であり、免疫抑制剤の内服の必要性を認識しているものが多かった。しかし、過去の体験、移植時期やその後の経過により、内服に対する捉えは異なり、服薬管理において、内服の有無の観察だけではなく、服薬を忘れた際の子どもの状況や対処、その時の子どもの背景までを含めた情報分析の必要性が考えられた。モニタリング指標の要素としては、子ども側の状況(身体状況や合併症の有無等、日常生活や学校生活、免疫抑制剤の内服を含む疾患管理といった療養生活状況、移植時期などの移植関連情報)と親側の状況(親の子どもの疾患管理に対する認識および行動や親の健康状態、家族状況等)が抽出された。次年度は、追加データの結果をふまえてさらに検討し、モニタリング指標を明確化し、看護援助モデルを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデルを構築し、課題解決を図ることである。今年度の目標は、肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親の療養生活の実態調査と子どもと親のQOL維持・向上のためのモニタリング指標作成のための文献検討を行うことである。調査は、追加データを次年度も収集予定であるが、文献検討は概ね終了し、次年度の予定であるモニタリング指標作成の前段階として指標案を作成した。したがって、今年度の計画は概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、学童後期から思春期の子どもと親を対象に調査を行ってきた。しかし、学童後期から思春期の子どもの看護援助モデルを構築する上では、対象を拡大し、幼児期や思春期以降の状況も把握することで、より明確な看護援助モデルを構築する上では有効であると考える。そこで、次年度以降は、実態調査の対象を拡大し、モニタリング指標の洗練および看護援助モデルを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度以降も対象を拡大してデータ収集することの計画修正した。そこで、追加調査の費用として次年度使用額が発生した。また、当初発表予定であった成果発表が、研究者の都合で、次年度での学会発表となったため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にデータ収集・整理、成果発表に使用予定である。
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Research Products
(1 results)