2014 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための支援モデルの開発
Project/Area Number |
26463416
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田畑 久江 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60323408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00264531)
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 子ども / 幼児 / 集団生活 / 幼稚園教諭 / 保育士 / 主体性 / 概念分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支える支援モデルを開発するために、平成26年度は、「先天性心疾患をもつ幼児への幼稚園教諭と保育士のかかわり」の調査を実施した。具体的には、過去5年以内に先天性心疾患をもつ幼児にかかわったことのある幼稚園教諭と保育士11名にインタビューを行い、先天性心疾患をもつ幼児へのかかわりについて語った内容を分析し、33のサブカテゴリと7のカテゴリを抽出した。7のカテゴリは、【園児と同じような対応】【子どもの体調を探りながら対応】【速やかに対応できる環境作り】【子どもの気持ちへの配慮】【園児を巻き込む対応】【親との協力体制作り】【園の管理体制作り】であった。これらの結果より、幼稚園教諭・保育士は、先天性心疾患をもつ幼児のみが特別にならないよう配慮し、子ども自身ができるように促すかかわりを行っていたことと、園の職員と親で協力体制作りをしていたことが明らかとなった。この結果は、日本小児看護学会第25回学術集会で発表予定である。 また、本研究課題の基盤となる「子どもの主体性」の概念分析に取り組んだ。Rodgersの概念分析方法を参考に、看護学領域と教育・心理学領域の56文献を対象に行った。これにより、能動的な認知・情意・行動を含む【能動的でありレベルがある】と【循環しながら発達する】の2つの属性が抽出された。そして、【子どもの状態】【子どもを取り巻く環境】の2つ先行要件と、【自我・自己肯定感・自尊感情が育まれる】【コミュニケーション・思考力が発達する】【自信・満足感・達成感が得られる】【乗り越える意欲をもつ】【自分で対処・適応できる】【苦痛・課題がプラスの体験になる】【周囲の大人との信頼関係ができる】の7つの帰結が抽出された。この結果は、18th EAFONSで学会発表を行った。また、平成27年度に論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予定通り、研究課題1「先天性心疾患をもつ幼児への幼稚園教諭と保育士のかかわり」を実施することができ、研究基盤となる「子どもの主体性」の概念分析にも着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降、研究課題2「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支える医療者の取り組み」に着手する。外来で先天性心疾患をもつ幼児とその家族にかかわる医療者(主に看護師)を対象とするが、今後、調査内容を明確にした上で、調査方法を検討していく。そして、研究課題2の研究参加者より、研究課題3「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための支援モデルの開発」への研究参加あるいは協力者を募りたいと考えている。先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための支援モデルの開発には、臨床での実施と検討、修正を含むので時間がかかると考えられる。計画通り進めていけるよう努めたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に購入を予定していた文房具類は足りていたため、今年度は購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降、予定していた文房具類を購入予定である。
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