2016 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための支援モデルの開発
Project/Area Number |
26463416
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田畑 久江 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60323408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00264531)
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 幼児 / 集団生活 / 主体性 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支える幼稚園・保育園の先生と医療者の取り組みを明らかにし、先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援モデルを作成することである。今年度は、本研究の基盤となる「子どもの主体性の概念分析」の論文が、日本小児看護学会誌に掲載された。また、"Care of Preschoolers with Congenital Heart Disease by kindergarten and Nursery Teachers in Japan"は、海外の学術雑誌Comprehensive Child and Adolescent Nursingにアクセプトされ、平成29年4月に掲載予定となっている。これまでの研究結果より、幼稚園教諭・保育士は先天性心疾患をもつ幼児に対し、その子どもの制限や体調に合わせて集団生活の中で特別にならないようなかかわりを行っていること、そして、医療者との直接のやり取りはほとんどなく親を介していることが明らかとなった。 そこで、先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援を明らかにするために小児循環器専門医が所属する245施設に、どのような看護支援を行っているかを自由記述する質問紙を配布した。今後この結果より看護支援モデル案を提案し、デルファイ法にて「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援モデル」を作成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼稚園教諭・保育士を対象とした研究結果より、あまり医療者とやりとりすることは少ないことが明らかとなった。また、学会等での情報収集により、先天性心疾患をもつ幼児期の子どもとかかわる看護師はあまり多くない可能性を知った。そして計画当初は、アクションリサーチの実施を考えていたが、協力を得ようと考えていた施設で先天性心疾患をもつ幼児を看護することが少なくなったという状況もあり、計画の変更をせざるを得なくなった。そのため、できるだけ多くの看護師の看護支援を把握するために、全国の小児循環器医が所属する医療施設に質問紙を送付し、自由記述で得た看護支援をデルファイ法にて洗練させ「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援モデル」を作成することとした。現在、看護支援の自由記述が返送されてきているところであり、今後、対象となる看護師と2回以上のやり取りをしていくため、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、80名の看護師から先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援についての記述が返送されてきているが、実際に支援を行っているのは、その中でも2~3割程度となっている。これらの結果と先行研究より作成した「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援モデル案」をデルファイ法にて洗練させていく。 デルファイ法にて作成した「先天性心疾患をもつ幼児の集団生活を支えるための看護支援モデル」については、デルファイ法の調査で協力を得た対象者3名程度に参加を募り、実践後にインタビューにて課題を抽出しようと考えている。そのためには、1年間の補助事業期間延長の申請も視野に入れている。
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Causes of Carryover |
研究計画の修正と倫理審査にも時間を要し研究が少し遅延している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進行中のデルファイ法のための印刷・郵送費、対象者への謝礼、インタビューのための旅費、データ入力のための人件費、平成29年4月に掲載予定の海外の学術雑誌におけるオープンアクセス料と、国内外における学会発表・参加のための旅費、論文投稿にかかる費用とする。
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