2015 Fiscal Year Research-status Report
痛みを伴う侵襲処置に幼児が向き合うための看護師のコミュニケーションスキルの開発
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26463422
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堀田 法子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90249342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 孝子 (久野孝子) 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (90315896)
安本 卓也 椙山女学園大学, 看護学部, 講師 (50566099)
二宮 昭 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (60132924)
山口 大輔 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (50622552)
遠藤 晋作 椙山女学園大学, 看護学部, 助手 (60750883)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生涯発達看護学 / 小児看護学 / コミュニケーション / 患児 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度に引き続きデータ分析を行い侵襲処置場面のビデオ映像を逐語録に起こした。逐語録に起こす際に、経時的な一人一人の言葉だけでなく、表情や動作、様子も含めて記述した。質的に分析を行い、まず事例ごとに、逐語録の中から処置を受ける中で子どもが言葉や態度、行動で混乱を示している場合に医療者が行ったコミュニケーションと、その結果として子どもが示す反応を含んだ相互交渉に着目し、看護師の望ましい対応から患児が処置を受け入れた場面と、看護師の望ましくない対応から患児が受け入れられない場面について、コミュニケーションのやり取りの具体的内容を提示し、研究者間で解釈について検討した。 37事例のデータ収集を行い、その中で付き添いがなく採血もしくは点滴の処置を受ける子ども13名と処置に携わった医療者のべ44名(看護師23名、医師19名)を分析対象とした。その中の2事例は終始落ち着いた様子だったため、最終的に11事例から特徴的な12場面を選択して分析した。なお、調査施設では採血および点滴の処置については、基本的にプレパレーション等事前の介入は行っておらず、医師が穿刺を担当し、看護師が介助を行う体制であった。 その結果、看護師の好ましい対応と好ましくない対応それぞれについて、4つの特徴【子どもに合った遊びの工夫を行うことで、落ち着きを取り戻し、子どもの気持ちが保てる】【子どもにとって重要な意向を見つけ出し、共感・尊重することで、子どもが落ち着いていられる】【子どもの希望に応じられない場合、子どもにとって重要な点を使って交渉することで納得が得られる】【子どもの意向を汲んでいないと、子どもが混乱してしまう】が抽出された。 現在、本内容の論文を執筆中であり、投稿予定である。 さらに、現在は、行動分析を中心に、ビデオ映像から子どもと看護師の行動について、詳細に分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
侵襲処置場面のビデオ映像を逐語録におこし、子どもにとって看護師の対応が好ましい対応であったか、好ましくない対応であったかを検討し、好ましい対応が見出せた。この対応について、4つの特徴があったため、現在論文を執筆中である。 看護師のコミュニケーションスキルの開発には、行動分析の心理学の専門家の協力が必要であり、現在は、行動分析を中心に、ビデオ映像から子どもと看護師の行動について、心理学の専門家と共同で詳細に分析し、看護師の好ましい立ち位置、タッチング方法、タッチングの位置等についても検討している。来年度も引き続き、心理学専門家の協力を得て、看護師の好ましい対応を、特に行動面から導き出す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ビデオ映像から、看護師の好ましい対応と好ましくない対応それぞれについて、4つの特徴【子どもに合った遊びの工夫を行うことで、落ち着きを取り戻し、子どもの気持ちが保てる】【子どもにとって重要な意向を見つけ出し、共感・尊重することで、子どもが落ち着いていられる】【子どもの希望に応じられない場合、子どもにとって重要な点を使って交渉することで納得が得られる】【子どもの意向を汲んでいないと、子どもが混乱してしまう】が抽出された。 現在、本内容の論文を執筆中であり、投稿予定である。 さらに、現在は、行動分析を中心に、ビデオ映像から子どもと看護師の行動について、詳細に分析している。介入前に、心理学の専門化の協力により、詳細な行動分析を行うことができ、より精度の高い看護師の対応方法が見出せ、子どもに向き合う看護師のコミュニケーションスキルが開発できると考える。
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Causes of Carryover |
ビデオ映像について、発話を単位としたカテゴリーや、看護師の対応については論文を掲載する予定であったが、掲載料が発生しなかった。また行動分析により、看護師と子どもの距離やポジション、タッチング回数、タッチングの位置などの詳細の分析を取り入れることで、より詳細な好ましい看護師の対応が見出せるため、心理学の専門家の協力を得る必要があり、その謝金としての費用が今年度は生じなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ビデオ映像について、発話を単位としたカテゴリーや、看護師の対応については論文執筆中であり、掲載料が必要になる。また行動分析により、看護師と子どもの距離やポジション、タッチング回数、タッチングの位置などの詳細の分析を取り入れることで、より詳細な好ましい看護師の対応が見出せるため、心理学の専門家の協力を得る必要があり、その謝金としの費用が必要となる。
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Remarks |
名古屋市立大学看護学http://www.nagoya-cu.ac.jp/nurse/1.htm 成育保健看護学http://www.ncuchn.com/
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