2017 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息児の保護者のQOL 向上をめざす看護介入プログラムの開発と成果の検証
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26463427
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Research Institution | Asahikawa University |
Principal Investigator |
細野 恵子 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (20412877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 看護介入プログラム / 母親 / QOL / 自己効力感 / 生活管理 / 喘息コントロール / JPAC |
Outline of Annual Research Achievements |
【看護介入プログラムによる介入調査の実施結果】 1.調査結果の概要:A総合病院小児科外来で平成28年6月~平成29年11月までの1年6ヶ月間、介入調査を実施した。調査協力者は,調査開始段階では16組(母親と小児)の同意が得られたが、最終段階まで協力が得られたのは9組であった。協力者の小児の年齢は4~12歳(幼児1名・学童8名)、母親の年齢は30歳代3名・40歳代5名・50歳代1名であった。対象者の定期通院は全員5週間隔で、定期通院ごとに外来で面談し、児の喘息コントロール状態および生活管理の取り組み状況について情報交換した。看護介入の結果は児の喘息コントロール状態(JPAC)・母親のQOL(QOLCA-24)と自己効力感(GSES)の変化、本介入プログラム参加による母親の認識の変化(面接調査)から検討した。 2.看護介入の結果:JPACによる結果から児の喘息コントロール状態は6名が改善傾向を示し、3名は不安定な状態で経過した。母親のQOLでは改善傾向を示したのは8名であった。母親の自己効力感では維持・改善傾向を示したのが5名、低下傾向を示したのが4名であった。喘息日記の活用は9組中5組が生活管理に取り入れ、最終段階まで記入を継続できたのは2組、代用品(カレンダー)による記入の継続は2組であった。 3.介入調査終了後の母親への面接調査の結果:プログラムに参加した母親の反応としては、喘息日記の活用による効果(怠薬回数の減少・服薬の継続と管理)、服薬継続による児の症状安定、客観的評価としてのJPACの意義に対する認識、JPACの活用、予防薬継続の効果に関する認識の変化を述べていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況がやや遅れている理由として、以下の4点が挙げられる。 1.「看護介入プログラム」に基づく介入調査は当初の予定より1年ほど遅れて開始しており、それに伴い終了時期も予定より遅れて終了した。 2.調査協力者の喘息コントロール状態の変動や受診間隔の変更(主に受診間隔の延長)に伴い、当初予定していた調査期間よりも若干延長して終了した(調査開始時は2017年8月を終了時期として予定していたが、実際には2017年11月に終了となった)。 3.介入調査およびデータ処理に関する研究補助員の確保ができず、調査研究の全過程における対処に遅れが生じている。 4.介入調査終了後は結果分析を進めているが、本来の業務の煩雑さも加わり、分析過程の作業に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.介入調査結果の分析および成果報告:介入調査の終了に伴い、現在はデータ分析をしている段階である。得られた成果は関連領域の学術集会において、一般演題として発表する予定である。 2.課題研究期間の延長:当初の予定では今年度が最終年度(4年目)であったが、途中段階での進行の遅れ、介入調査期間の延長などが重なったことから、得られたデータの詳細な分析を進めるには時間的な限界を感じる状況となった。そこで、最終年度を1年延長する手続きをとり、全研究期間を5年間とした。次年度は最終年度として、得られた結果の詳細な分析を行い、成果報告を進める予定である。
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Causes of Carryover |
【理由】平成29年度の使用状況において、当初予定していた調査協力施設における研究補助員の確保や介入調査における研究補助員の確保が困難な状況にあった。そのため、研究補助員を配置することができなかったことが理由として挙げられる。 【使用計画】①調査結果のデータ分析に係る費用:データ整理のための研究補助員への謝金、②会議費:連携研究者との打ち合わせ会議に係る費用および交通費(5~6回程度/年)、③成果報告に係る費用:関連学会への学術集会参加および一般演題発表に伴う費用(学会参加費・旅費・ポスター作製費など)
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