2018 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもちながら生活する子ども(人)の自立支援プログラムの構築
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26463434
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
山下 真紀 朝日大学, 保健医療学部, 講師 (40410782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁尾 かおり 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (50392410) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児看護 / 先天性心疾患 / 自己開示 / 自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は先天性心疾患患児の自立支援プログラムを構築することである。その第一段階として先天性心疾患患児の自立に対する思いと行動、疾患に関する自己開示のプロセス、必要と感じているソーシャルサポートを明らかにするために、2016年にインタビュー調査を行っている。2018年度においては、インタビュー内容を学童期、思春期前期(中学生)、思春期後期(高校生)、青年期の4期に分け、質的帰納的に分析し、それぞれの特徴を明らかにしている最中である。 学童期では、12歳の男児2名、女児1名の合計3名の協力が得られた。自立に対する思いと行動では、「現在の療養行動は親の協力を得ているが、いずれは一人でできるようになりたい」、「病名や療養行動は理解し行動できるが、複雑な病態は理解できないため、詳しく理解したい」、「将来のことを考えると不安もあるが、今できることをがんばる」の3つのコアカテゴリーが抽出された。疾患に関する自己開示では「疾患に関する自己開示には相反する思いがある」、「親と相談しながら開示対象と内容を決める」、「開示対象の肯定的な反応により、自己開示したことを肯定的に捉える」の3つのコアカテゴリーが抽出された。自立に必要なソーシャルサポートとしては「医療者や親、教師が支えてくれる」、「自分のことを理解して対応してほしい」の2つのコアカテゴリーが抽出された。以上の結果から、学童期の自立の一部として、療養行動の現状が明らかになり、意思決定能力の育成とともに、相談しやすい環境を整えていく必要性が示唆された。また、病気理解を促す関わりをするだけでなく、子どもたち自身が自ら病気を理解したいと思えるような関わりが必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
インタビュー内容の分析に時間を要しているため。また、研究者の体調不良等も続き、研究に十分なエフォートをさけない状況があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階の研究がまとまりつつあるため、この結果を踏まえ、第2段階の質問紙調査の準備を行う。夏までに第2段階の研究に関する倫理申請を行い、承認後直ちに調査開始できるよう努める。
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Causes of Carryover |
研究の実施が遅れているため、予算を執行するに至らなかった。今年度は質問紙調査を実施するため、調査用紙の印刷および郵送費用に使用する。また、分析のための解析ソフトの購入もしくは外部委託費として使用する。
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