2014 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧症候群(PIH)ハイリスク妊婦の体水分に関する基礎研究
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26463442
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
中田 かおり 独立行政法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校 母性看護学 助産学, 准教授 (70469980)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊婦 / 高血圧 / 体水分 / 健康 / 助産学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊娠高血圧症候群(PIH)ハイリスク妊婦の体水分に焦点をあて、妊婦のPIH発症/妊娠末期の血圧上昇に関連する影響因子・生理学的検査値を探索することである。本研究で探索された因子・検査値が、評価指標の作成等、PIH発症/妊娠末期の血圧上昇のリスク低下につながる取り組みへの基礎資料となることを目指している。また、妊婦健康診査あるいは家庭で測定・評価が可能な因子・検査値を中心に探索することによって、妊婦自身のセルフケア能力の向上につながる評価指標の開発に資することを目指している。 本年度は、研究方法の検討を行うため、妊婦の体水分や妊娠期の血圧上昇に関連して、現在までどのような研究やケアが行われているか、文献検討とヒアリングを通して情報収集を行った。これまで、PIHを発症した妊婦の生理学的な特徴や変化については、研究によってさまざまな測定・評価方法が試みられており、PIHを発症した妊婦では発症していない妊婦に比べ、血漿量の増加が低い、細胞外液が多い(浮腫)、末梢血管抵抗が高い、などの生理学的現象が報告されている。また、PIHを発症している妊婦への対応としては、過度な塩分・水分制限を行うことはさらなる状態の悪化を招くということが知られている。しかし研究者が調査した範囲では、発症前にPIHハイリスク妊婦を特定するための研究や、PIH発症あるいは症状の悪化と水分管理との関連を検討する研究はごく限られていた。そのため、本研究で収集すべきデータの項目やデータ収集の時期・方法を具体化するためには関連領域の研究成果を幅広く吟味する必要があり、現在も検討中である。 今後は、早急に先行研究の分析と情報収集の内容をとりまとめ、研究方法を具体化してパイロットスタディを開始し、本調査に向けた具体的な準備を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、文献検討等を含めた情報収集と収集した情報の統合に予想以上の時間を要した。そのため、研究方法を具体化し、研究計画を決定することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
方法論の検討を早急に行い、パイロットスタディを実施して研究計画を完成し、本調査を開始する予定である。パイロットスタディでは、データ収集と平行してデータが一定量収集できたところで分析を行い、対象数を含めた研究方法の見直しと必要な修正を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、パイロットスタディを開始できなかった。そのため、データ収集に伴う謝金・謝品費、研究補助者への人件費・謝金、データ管理のための物品費、研究方法を具体化するための外部専門家やアドバイザー等との交流・会議のための会議費、旅費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、データ収集にかかる研究補助者への人件費、研究参加者・協力施設への謝品費用、研究計画の具体化に向けた情報収集と整理、打ち合わせにかかる会議費、旅費の支出が見込まれるため、約290万円の研究費を使用する見込みである。データ収集にかかる人件費・謝金として約160万円、研究協力者への謝品約20万円、データ収集・管理のための器材購入費として約20万円、国内外の研究者へのコンサルテーションや研究者との意見交換のための学会等参加費用として約70万円、その他会議費・消耗品等で約20万円の使用を予定している。
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