2014 Fiscal Year Research-status Report
廃用症候群のある高齢者に対する生活行動回復のための看護介入モデルの構築
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26463443
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
大内 潤子 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (00571085)
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション看護 / 高齢者 / 廃用症候群 / 看護モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
廃用症候群高齢者に対する看護の実態を明らかにすることを目的に、全国の療養型病床をもつ20病院に依頼し、3施設から回答を得た。そのうち2施設の解析が終了した。この解析に残りの1施設を加えた内容をさらに解析し、新たな調査施設が必要であるかを検討する予定である。 2施設の解析の結果、アンケートの回収は148名(回収率98.7%)であり、対象者は、男性16名、女性130名、無記入2名、平均年齢38.3±14.3歳であった。看護経験年数は平均12.8±12.3年であり、最小が1年未満、最高が47年であった。調査時の免許は看護師116名、准看護師32名であった。廃用症候群患者に対し日常的におこなわれている看護において最も選択率の高い3項目は、生活援助に関しては口腔ケア88.5%、おむつ交換86.5%、経口摂取介助83.1%であり、合併症予防に関しては体位変換93.2%、褥瘡処置83.8%、褥瘡予防83.8%であり、リハビリテーション(以下RH)看護は関節可動域訓練45.3%、端座位の援助41.2%、経口摂取訓練37.8%であった。さらに、生活援助、合併症予防、RH看護について、対象者が日常おこなわれている看護として複数の選択をした項目の選択率の平均は、生活援助では72.7±26.3%、合併症予防では71.9±26.4%、RH看護では21.2±21.7%であった。RH看護の選択率が生活援助や合併症予防より有意に低かった(p<0.05)。また廃用症候群患者に対し最も重要と思われる看護の3項目の選択率は、褥瘡予防34.5%、栄養の管理33.1%、体位変換23.6%であった。今後、廃用症候群患者への看護においてRH看護に関してなぜ選択されなかったかの要因を探ることが、今後において、廃用症候群患者の回復への看護を普及させるために重要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査において、協力の打診をした段階で断られる施設が多かった。その中でも、北海道、千葉県、滋賀県からの賛同が得られた施設があり、実施できた。また、廃用症候群患者への座位の確立に向けた看護介入モデルの開発のために協力病院の調整を始めた。以上より、概ね予定通り進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査に関しては、3施設の調査内容の分析から概ね同じ傾向のである場合は、調査は終了する予定である。しかし、更なる傾向がある場合は、調査を継続する予定である。また、アンケート調査の結果は2015年老年看護学学術集会で発表する予定であり、速やかに論文として発表していく予定である。 さらに、廃用症候群患者への座位の確立に向けて看護介入モデルの開発に関しては、現在、5つの協力病院に対し研修会を行い、介入実践と介入プロセスの記録について教授する予定である。また、実践的に介入しているアウトカムとして、端座位が確立していくプロセスを映像で記録していく予定である。
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Causes of Carryover |
2014年度の計画において、アンケートの依頼において電話およびメールによる連絡を実施したが、調査の協力が得られた施設が少なかった。そのため、調査に対する経費が予定より少なかったため差額が生じた。また、2015年度予定の研究が進むための準備として協力病院への訪問を始めた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の使用計画は、2014年度のアンケートの分析状況を見ながら、対象施設の拡大を図る予定である。また、実践的な介入と評価の協力病院へ研修と評価方法の依頼と、協力病院の開発への資金として計画している。
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