2014 Fiscal Year Research-status Report
総合病院における認知症高齢者の安全対策を目指したケア・アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
26463446
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 真弓 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (50714169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 登美子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40248860)
新鞍 眞理子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (00334730)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 認知症高齢者 / 転倒 / 熟練看護師 / 総合病院 / 安全対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、認知症高齢者の安全対策に取り組む、総合病院の熟練看護師の思考過程の構造を、看護ケア・アルゴリズムとして開発する事を最終目的とする。総合病院へ治療のために入院する認知症高齢者は、記憶障害に伴い、妄想・幻覚・徘徊等が起こりやすく、入院中の転倒や、点滴抜去等のトラブルにつながりやすい。入院生活を安全に過ごせるように、またどの看護師も一定レベルで対策が行えるように、ケア・アルゴリズムの開発は急務と考える。 本年度は、熟練看護師の認知症高齢者への安全対策の思考過程を明確にするために、以下の事を行なった。まず、富山大学倫理審査委員会にて倫理的配慮に関する審査を受けた。承認後、総合病院にて10名の熟練看護師を対象に、1対1の半構成的面接調査を行なった。面接内容は録音し、その逐語録をデータとして扱った。データの分析は、修正版Grounded theory approachによる質的帰納的手法で行った。分析の結果、29の〈概念〉が生成され、9の《サブカテゴリー》へ統合、6の【カテゴリー】である【あらかじめ危険を予測する】【その人を理解しようとする】【前もって対応するよう考える】【自分に置き換えケアを内省する】【ナースの認識を共有できない】【患者を捉えきれない】へ集約できた。 熟練看護師は、【その人を理解しようとする】ことから【あらかじめ危険を予測する】ようにしており、【前もって対応するよう考える】ことで、危険行動の大半は事前に防ぎ得ると考えていた。危険行動の発生予防が困難と考える状況には、看護師間で重要なアセスメントの共有が出来ない、認知症高齢者のニーズが掴みきれない、があった。現在分析の信頼性と妥当性を確保するために対象者に結果を返し、意見を求めているところである。 次年度は、理論的飽和を目指しさらに10名程度の看護師に追加の面接を行い、理論的知見の統合の作業を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では2年で20人程度のインタビューを行う計画で、本年度は10人のインタビューを行い、質的にまとめ、結果を学会発表出来たため、おおむね計画通りと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、理論的飽和をめざしさらに10名程度の看護師に追加の面接を行い、理論的知見の統合の作業を行う予定である。他の総合病院への協力の呼びかけ、参加者を集い、面接を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
平成27年度購入予定の物品経費があり、本年度は節約使用したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度経費とあわせて、当初の予定どおりに調査を実施することが可能である。
|