2016 Fiscal Year Research-status Report
排泄障害のある認知症高齢者の潜在能力を活用した排泄行動援助プログラムの有効性
Project/Area Number |
26463448
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
中村 五月 (形上五月) 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40549317)
小岡 亜希子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (50444758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 排泄行動 / 認知症高齢者 / 排泄機能 / 潜在能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、排泄行動に障害をもつ認知症高齢者の排泄機能(畜尿機能と排尿機能)と排泄行動能力をアセスメントすることで、高齢者の排泄に関わる潜在能力を活用した援助方法を明らかにすることである。そのため、本年度は初年度の実態調査で明らかになった不適切な排泄行動として、「排泄行動を自発的行うことによって転倒のリスクがある」「頻回に尿意を訴える」に限定し、それらの行動が認められる認知症高齢者を対象に、排泄行動をとる際の言動を観察したデータと、排尿日誌を用いて排泄状態に関するデータを収集した。それらのデータを照合し、「排泄行動を自発的行うことによって転倒のリスクがある」対象者の排泄行動を起こすタイミングや言動と実際の排尿状態の関係の分析を行っている。対象者は、日中は介護者が問いかけたりトイレに行こうとするしぐさに気づいたりすることで、排尿誘導が実施されていた。排尿誘導でほぼ確実に排尿できている対象者が、7名中5名、失禁が全くない者も3名おり、尿意の感覚は確かであることが推察された。しかし、自発的な行動をとることでリスクを伴うため、夜間はセンサーマットを使用して対応されており、夜間も3~4回程度の排尿行動が認められた。残尿量が頻回な排尿行動に影響していると予測される者は、現在分析している5名のうち1名であったが、すべての対象者に共通して認められたのは、夜間多尿で、夜間尿量の割合が最も少ない者で47%、最も多い者は66%であった。今後、「頻回に尿意を訴える」対象者の分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実態調査の結果をうけて、高齢者施設で頻度の高い不適切な排泄行動を「排泄行動を自発的行うことによって転倒のリスクがある」「頻回に尿意を訴える」に限定して、排泄行動場面と排泄日誌のデータを収集することができた。現在、ケースごとの分析を行うことで、潜在能力と排泄行動に至る排尿機能を明らかにしている。現在は分析の途中であることと、データ数が少ないため、対象者数を増やしていく必要がある。データ収集期間中に研究フィールドで感染症が流行し、データ収集、分析をすべて終了することができなかったため、研究の進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
排泄行動の観察や認知症高齢者の排尿日誌の記載は、フィールドとなる施設職員の協力を得ながら実施しているが、時間を要する。さらに、分析には詳細なデータが必要であるため、1ケース毎のデータを緻密に収集していく。現在、実施している行動観察のデータと排泄日誌を照合しながら分析を行い、排泄機能の改善の必要性や排泄行動に対する援助方法を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
援助プログラムの作成にあたっては、不適切な排泄行動の生じている個別の要因を明らかにするアセスメントの方法を提示することが必要であると考え、アセスメントの項目の精選に研究方法を変更したため、データ収集の開始時期が遅れた。そのことにより、感染症の発生時期と重なり、データ収集の中断を余儀なくされ、データ収集がすべて終了しなかった。そのため、予定していた分析、結果公表に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集・分析過程における実験補助者の雇用および、情報収集や結果公表のための旅費等に使用する。
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