2017 Fiscal Year Annual Research Report
Factors Associated With Third-Party Disability in Spouses of Elderly with Hearing Loss
Project/Area Number |
26463459
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 紀代美 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (60269636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 公昭 立正大学, 心理学部, 教授 (10237703)
高橋 眞理子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00336687)
蒲谷 嘉代子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50569259)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 難聴高齢者 / 家族 / 負担 / 心理的 / 社会的 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、難聴のある高齢者の配偶者151名に対し、続柄、身体的状況及び外出・交流頻度、愛情尺度、並びにSucarinciの考案したSOS-Hear尺度(難聴者のための重要他者尺度)を翻訳した邦文版にて心理的・社会的影響をさらにそれらの関係性について調査した。SOS-Hear和文版は、「コミュニケーションの変更(6項目)」「コミュニケーションの負担(6項目)」「関係の変化(3項目)」「外出と社交(4項目)」「適応への情緒的反応(5項目)」「配偶者に対する気遣い(3項目)」で構成され、苦痛の程度を「とてもそう思う」4点から「全く思わない」1点の4段階で把握した。 結果は以下の通りであった。配偶者は、男性48名(31.8%)、女性103名(68.2%)、平均年齢は73.8±4.6歳であった。配偶者の主観的健康感は普通以上が121名(78.8%)であった。SOS-Hear(和文)は、「コミュニケーションの変更」は、12.9±3.5点、「コミュニケーションの負担」10.6±3.7点「関係の変化」5.0±1.9点「外出と社交」7.0±2.3点「適応への情緒的反応」9.6±3.2点「配偶者に対する気遣い」5.9±1.9点で、コミュニケーションの変更が最も苦痛に感じており、次いで「適応への情緒的反応」で、「関係の変化」は最も低かった。難聴高齢者の配偶者のSOS-HEARから把握した心理的・社会的苦痛と愛情尺度との関係は、愛情尺度得点が高ければ「適応への情緒的反応」(r=-.454)、「関係の変化」(r=-.420)で中程度の相関が、「コミュニケーションの変更」及び「コミュニケーションの負担」は低い負の相関(r=ー.257,208)があった。 以上より、高齢夫婦における難聴が配偶者に与える苦痛には配偶者間の愛情が影響していることが明らかとなった。
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