2014 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力に関する研究
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26463464
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Research Institution | The Japanese Red Cross Akita College of Nursing |
Principal Investigator |
小野 麻由子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 助教 (50723243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏原 和美 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (00345050)
谷地 和加子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 助教 (00723058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護老人保健施設 / 看護師 / 看護実践能力 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「介護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力尺度」原案作成担当者会議の実施:先行文献を基に、介護老人保健施設の看護師に求められる役割について、高齢化率1位の秋田県の退院調整看護師、介護老人保健施設管理者・看護師、ケアマネージャーと研究者らがそれぞれの立場からディスカッションし、65項目を抽出した。 2.全国の介護老人保健施設を選定: 1の原案作成担当者会議での検討を踏まえ、「在宅強化型」「在宅復帰・療養支援型」「一般型」の施設側の特徴による分類と、地域の特徴を施設選定基準として設定した。抽出した10都道府県毎に、登録施設の中から無作為に1施設を選択し、電話で研究内容及び依頼内容を伝え、承諾が得られた施設の施設長あてに依頼文書を郵送した。 3.インタビュー調査:インタビューガイドを作成し、高齢化率上位や過疎化が進む都道府県、高齢化率下位の都道府県、大都市の合計10か所の介護老人保健施設に従事する看護管理者1名、看護師1名に対してインタビュー調査を実施した。 4.原案の作成:原案作成担当者会議とインタビュー結果より、看護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力に関するデータを抽出し、類似性によって分類した。その結果、「1.生活を支える援助」「2.医療処置に関する技術」「3.家族の理解と援助」「4.専門性の開発」「5.多職種との連携」「6.シームレスな支援」「7.管理的な側面」「8.安全の側面」「9.倫理的な側面」の9カテゴリー、67項目の質問内容を抽出した。 5.内容妥当性の検証:老年看護学に精通した研究者2名、看護実践能力に精通した研究者1名、尺度開発に精通した研究者2名、実践家2名の合計7名の専門家からスーパーバイズを受け、質問内容及び評価方法を修正した。以上までの段階で抽出された原案内容を、全国10か所のインタビュー調査を実施した対象者へ郵送し、内容確認を依頼中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の研究計画は、1.原案作成担当者会議の実施 2.インタビューガイドの作成と全国調査(全国10か所の介護老人保健施設の看護職へのインタビュー) 3.実践家による内容妥当性の検討 4.全国調査を実施した同じ対象者へ質問項目を郵送し内容の確認 5.プレテスト 6.項目分析後、「介護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力」尺度項目の完成、であった。 研究計画のうち、1~3は終了し、現在4について回答を回収中である。 やや遅れた原因としては、インタビュー結果の分析と内容妥当性の検討に時間がかかったことがある。特にインタビュー結果のデータ分析は、本研究の根幹である尺度の項目内容に直結するため、共同研究者と意見交換しながら慎重に作業を進めた。また、項目内容の妥当性についても様々な立場からご意見がいただけるよう7名の専門家による内容妥当性検討を依頼し、修正内容についての確認作業等により時間を要した。今後は5.プレテストから実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度の研究段階で抽出した「介護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力」尺度項目を用いて、その後の調査を実施する。 26年度計画分1.プレテスト 2.項目分析後、「介護老人保健施設に従事する看護師の看護実践能力」尺度項目の完成 27年度~28年度計画 1.全国の介護老人保健施設200施設に勤務する看護師・准看護師(看護管理者を除き、1施設から4人まで)に対して「介護老人保健施設に勤務する看護職の看護実践能力尺度」の質問紙を用い郵送法にて調査を行う。2. 1か月のインターバルの後、40~50名の便宜的に選択した対象者に対して、テスト・再テスト法による信頼性の検討のため2回目の調査を行う。3.各看護実践項目の重要度認知と実践能力の自己評価の得点分布を確認し、介護老人保健施設に従事する看護師の現状について明らかにする。4.質問項目の精錬と妥当性を検証するための因子分析を行う。また、テスト・再テスト法を行った対象者に関しては1回目と2回目の回答の相関係数から信頼性について検討する。統計解析にはSPSS Ver21.0を使用する。5.研究者らで介護老人保健施設の看護実践能力の構造化概念図を作成する。6.学会発表の後、論文化する。1) 「介護老人保健施設に勤務する看護職の看護実践能力尺度開発」(1)質問項目の作成と尺度原案の作成、質問項目の内容妥当性の検討と修正、プレテストによる修正、本調査実施による信頼性・妥当性の検討について論文化する。2) 「介護老人保健施設に勤務する看護師の看護実践能力の現状について」(1)看護実践項目の重要度認知と自己評価で測る実践能力のそれぞれへの影響要因(2)重要だと認識しているが実践できていない項目は何か、関連のある要因は何か
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Causes of Carryover |
今年度予定していたプレテストがまだ実施できていない状況である。よって、プレテストに関わる経費をまだ使用していない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れているプレテストから実施する予定である。
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