2015 Fiscal Year Research-status Report
重度認知症高齢者における標準的口腔ケアガイドラインの開発に関する研究
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26463479
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
小園 由味恵 安田女子大学, 看護学部, 講師 (50583928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 千鶴子 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50320049)
笹本 美佐 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (70568104)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重度認知症高齢者 / 口腔ケア / 認知症疾患医療センター |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省の推計によると2012年の段階で介護を必要とする認知症高齢者の数は全国で305万人を超え,平成37年には470万人に増加する見通しである。「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」による報告書(2008年7月)では,今後の認知症対策として重要なのは,認知症ケアの標準化・高度化の推進により,適切な医療・介護サービスを提供するとともに,本人やその家族の生活を支援し,認知症ケアの質の向上をはかることである,と指摘している。また,「2015年の高齢者介護」報告においては認知症高齢者ケアの普遍化が謳われている。認知症ケアの普遍化にはケアの標準化が必須であり,認知症高齢者の有する能力に応じ,生活の中で主体的に能力を発揮できるような支援方法の開発や系統的なエビデンスの収集と評価の確率が早急に求められている。しかし,現在,認知症高齢者への口腔ケアに関する研究の多くは事例研究や質的な分析にとどまり,認知症高齢者に対する口腔ケアの一側面を捉えたものが多く,標準化を目的とした研究は充分とはいえないのが現状である。認知症高齢者は重症化が進むほど口腔内の状態が悪化し,介護が必要となることが明らかである。今後,増加が予測される重度認知症高齢者に対して,施設・在宅を問わず標準的な口腔ケアガイドラインの開発は重要な課題であると考える。 本研究において、初年度は、認知症疾患医療センターを有する病院に勤務する看護師にインタビューを行い、内容分析を行った。2年目は、その結果を元に、全国約250の認知症疾患医療センターを有する施設の看護師を対象にアンケート調査を行った。次年度は、アンケート調査を分析し、重度認知症高齢者に対して使用する標準的な口腔ケアガイドラインを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に計画した、全国の認知症疾患医療センターを有する施設に勤務する看護師に対し、郵送法にてアンケートを依頼し、約550人(40%)から返信を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、3年目に計画している全国調査のデータ分析を行い、重度認知症高齢者における標準的口腔ケアガイドラインを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、国際学会での発表を行い、旅費が予算より多く使用することとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、データ分析とガイドライン作成が主となり学会発表には至らないため、予算として計画していた旅費を今年度使用した。次年度は、データ入力と報告書作成費用が主となると考える。
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