2016 Fiscal Year Research-status Report
女性アルコール依存症者の死への転帰を予防するための断酒継続プログラムの確立
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26463483
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河村 一海 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50251963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 和代 金沢大学, 保健学系, 教授 (60326080)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 女性アルコール依存症者 / 断酒継続プログラム / 死への転帰の予防 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
AAレディースミーティングに1回でも参加経験のある断酒継続できていない女性アルコール依存症者に面接を行ったところ、当該年度の面接者のうち断酒に成功したと感じておられる方は3名おられた。その方々から得られた新たな知見は、入院中にプログラムに参加して自分に自信をつけたり、ミーティングでメンバーを紹介してもらえ、直接メンバーに連絡を取って親しくなれたことで、断酒が継続できたと話していたことである。つまり「自助グループに参加したことはあるけれども断酒継続ができない群」の特徴として、それまでは「人づてに自助グループに出ることはよい」ということを言われていたが、「自分自身が本当によい言う実感を感じていなかった」ため参加することを中断し、再飲酒するという『負の連鎖』に入ってしまっていた。すなわち自分自身が「仲間とふれあうことのすばらしさ」を本当に感じないと「ミーティング参加を継続できない」ということを語っていた。また女性ミーティングの良さについては、昼に開催されているから参加しやすいと語られる方が多く、これは地域性による長所でもあることがうかがわれた。私自身の過去の研究でも明らかになった、「同じ体験をしていることでの同性への親密感」はいずれの研究対象者からも語られていた。 もう一つの介入対象としている「自助グループに参加したことがない群」は当該年度は対象者を得ることができなかったので、研究計画を1年延長させてもらい、平成29年度に介入できるようにしたいと考える。また集団に入ることが苦手である対象者に対しては、どのような個人への介入方法が適切であるか、導き出せるようにしたいと思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
断酒継続できていない女性アルコール依存症者で断酒継続のために入院したが女性AAミーティングの存在を知らないあるいは参加したいと思わないと考えている研究対象者への面接や介入を予定しているが、あてはまる対象者がなかなか集まらず、予定していた調査・介入が充分にできない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の対象者(断酒継続できていない女性アルコール依存症者)数を増やし、質問紙とインタビューを行って彼女らがなぜ断酒継続できないのかを導き出す。その際、女性ミーティングに参加できるが、断酒継続者がミーティングで体験できることができないものに対しては体験できるようなプログラムを確立することを目指す。また女性AAミーティングに参加することができないものに対してはミーティングに参加しなくても断酒できるようにするための個人への介入を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度に、断酒継続が困難な女性アルコール依存症者へのインタビューおよび介入を計画していたが、予測していた人数の対象者を確保することができず、対象者の特徴を充分に導き出せていない状況である。また、そのため対象者への介入プログラムの確立・施行もできない状況となったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査研究を実施するための消耗品(カセットテープ・USBメモリー等)、また収集したデータを分析するためのパーソナルコンピューターの購入、またデータを整理するための研究補助者の雇用および研究に関する専門的知識の提供を受けること、研究成果の発表のための論文作成のための電子辞書の購入、研究成果の発表としての外国語論文作成に係わる諸費用を次年度は予定しているので、未使用額はその経費に充てることにしたい。
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