2015 Fiscal Year Research-status Report
身体面から働きかける補完代替療法導入のための精神科看護師への教育と普及方法の開発
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26463484
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 淑美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50279832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 補完代替医療 / 統合医療 / 精神疾患 / 精神看護 / 看護管理 / 実態調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は,精神科看護領域における補完代替療法を導入するにあたって,活用と関心の現状を把握し,普及のための課題を検討するために,日本精神科病院協会に所属する精神科病院および精神病床を有する病院1206施設の看護管理者に質問紙調査を実施した. その結果,CAMに関心があると回答した看護管理者は7割を超えたものの,CAMを実際に導入している施設は46.2%であった.導入していない施設であっても,導入している施設との間でCAMへの関心の高さに差はなかった.CAMの導入には,過去のCAMの活用経験が影響していることが分かった.アロマセラピー(44.4%)とアニマルセラピー(39.9%)の関心が高かった.CAMの導入の有無にかかわらず,導入のために検討すべき条件は,「専門的知識の習得」であり,すでに導入している施設では,それに加えて,「ケアのための時間の確保」が検討すべき検討すべき条件であることが分かった.CAMを導入していないが関心があると回答した看護管理者は多く,これらの対象がCAMを導入するためには,上記の条件に加え,「効果の評価のわかりやすさ」と「看護師同士の合意」「他の医療職の了解」が検討されるべき課題であることが分かった. 精神科領域におけるCAMの全国規模の調査は行われておらず,CAMを導入,普及するための支援策を検討するためには重要な結果であるといえる.本結果に基づき,今後導入のために必要な条件である「専門的知識の習得」及び「ケアの時間確保」への対応として,精神科看護師を対象としたCAMのセミナーを開催する.これにより,知識の習得機会を助け,ケアの時間確保のための対策を参加者とともに検討することを計画している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の遅れが響いている.そのため,本年度は,初年度に実施予定であった全国調査を実施し,それを公表することとなった.本来なら,27年度中に実施予定だった,セミナーの開催が遅れ,企画までとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
全国調査,および継続している文献検討に基づき,8月に精神科看護師を対象としたCAMのセミナーを開催する.セミナーの目的は,身体面から入るCAMの知識習得の機会とし,かつ導入の方法をお互いに検討することである.セミナー後にアンケート調査を実施し,実際に導入して今後継続して研究に参加する施設を募る.参加を同意した施設には,1年間のCAM導入を施設で実施してもらい,経過を評価し,最終的には,導入方法を提示する予定である.
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより,27年度実施予定であったセミナーの実施,およびその後の追跡調査が行えなかったことが理由である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度実施できなかった,セミナーの開催を予定しており,そのための,準備及び必要物品の購入,開催に必要なアルバイトの雇用により使用を計画している
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