2018 Fiscal Year Research-status Report
身体面から働きかける補完代替療法導入のための精神科看護師への教育と普及方法の開発
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26463484
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 淑美 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50279832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 補完代替療法 / 精神科看護 / アロマセラピー / マッサージ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,4施設において1年間月1回実施してきたデータ収集(唾液アミラーゼ試験,POMS,インタビュー)が終了した. 収集したデータのうち,生理学的指標とした唾液アミラーゼ及び心理学的指標としたPOMS のデータ分析を行った.POMSの結果はネガティブな情動状態全般の推定値であるTMD得点がほとんどの対象者においてすべての測定時期で実施後に減少していた.これによりアロママッサージを実施することが,施術者である看護師にとって,心理的な効果としてネガディブな気分を減少させる可能性が示された.一方,生理学的な指標は継続的なアロママッサージの使用によって増加がみられ,その効果は減少してしまうことが考えられた. 以上の結果を,日本統合医療学会(2018,10月,札幌)において発表した. インタビューによる質的な分析は継続中であるが,精神科看護師は,アロママッサージを使用することによる患者との関係性の変化を認識していた.コミュニケーションをとることが難しい患者とのコミュニケーション促進及びコミュニケーション内容の深化を多くの看護師が報告していた.さらに,アロマの使用を通して精神疾患患者の他者への関心やケア行動が見られたことも報告されていた. この結果については,2019 AAPINA Conference Planning Committeeの学会発表に採択され発表を予定している.以上の結果について,論文作成を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の関西近縁に生じた地震,および台風による災害後の対応によりしばらく研究活動を行えない時期があったため.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度より継続していた質的データの分析を終了させ,学会発表,論文による公表及び報告書の作成を実施する.
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Causes of Carryover |
2018年度予定していた海外への学会参加時期に,地震が重なり予定を見送ったこと,および地震や台風により当初予定していた研究打ち合わせを中止にせざるを得ないなど,研究の遅延が生じたため. 2019年度国際学会での発表にすでに採択されており,かつ報告書の作成,配布を計画している.
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