2015 Fiscal Year Research-status Report
日本型ケア文化と介護者QOLに関する研究:高齢、慢性・終末期患者家族の支援
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26463492
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山口 智美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (60360062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇座 美代子 琉球大学, 医学部, 教授 (00253956) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / QOL / 慢性状況 / 終末期 / 介護者 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は家族介護者を本邦の重要なヘルスケア人的資源と捉え、高齢・慢性状況及び終末期患者をケアする日本人家族介護者のQOLについてその関連・構成要素を明確化し、日本社会文化型ケアリング概念モデルの素描を試みるものである。既存の尺度(QOLLTI-F)をベースに量的及び質的データを日本社会文化の現状に照らし合わせて解釈し、日本人家族介護者へのQOLLTI-F活用を試みる国際情報共有下マルチメソッド研究である。 (1)既存のQOLLTI-F尺度の内容及び構成因子等の再分析、日本語翻訳版試験の因子分析結果の見直し、再解釈のために量的データの追精査を実施した。意思決定、自分のための時間確保等の項目において日本人被験者の特徴的反応が見られた。 (2)1年目の質的研究データ詳細分析の成果より、日本人家族介護者のQOLに影響すると予測される文化的価値観が明らかとなったが、それら概念・カテゴリーと結果(1)を照合・比較検討し、日本社会文化的コンテクストにおける介護者QOLの特徴を示す重要な構成要素の特定及び解釈プロセスの継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究データ・成果を再度精査し、データ分析及び解釈を段階的に進めてきた。QOLLTI-F 因子構造の特徴及び日本語翻訳版QOLLTI-F因子構造の特徴の照合・比較検討の再分析・考察ができたことは日本社会文化的コンテクストにおける介護者QOLの特徴を反映させる尺度として日本においてQOLLTI-Fを活用する上で重要なステップであった。換言すればこの比較分析は異文化社会コンテクストにおいて開発された尺度の解釈を介して日本の特徴を写し出す重要な過程であったと言える。しかし、日本人介護者のケア文化価値及びQOLの特徴を反映させる構成要素抽出・因子を分析・解釈する過程は予想以上に複雑であり、想定以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
質及び量的データを丁寧に継続精査する。日本人介護者のケア文化価値及びQOLの特徴を反映させる構成要素抽出・因子を分析・解釈する過程は予想以上に複雑であるが、今回明らかになった点を軸に、当該研究者によるQOOLTI-F構成概念の再構成を行いデータの追加分析・試験を加える。
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Causes of Carryover |
質及び量的データの精査の過程、特に日本社会文化に照らし合わせる過程及び質的・量的データの解釈は想像以上に複雑で時間を要したことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
構成概念の再構成と追加分析試験を早期に追加して、計画を進める。研究進捗の遅れに伴って生じた繰越金については先の追過分析試験結果を踏まえて速やかにHPの更新のために使用する。
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Research Products
(1 results)