2016 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養者の予期せぬ入院の予防・回避に向けた訪問看護指標開発の基礎的研究
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26463498
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
福山 由美 佐賀大学, 医学部, 准教授 (40529426)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 在宅医療 / 予期せぬ入院 / 在宅療養支援診療所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、在宅療養者の予期せぬ入院回避を揺るぎないものとする訪問看護指標の開発と実践評価可能な介入モデルの構築を図る基礎的研究を行う計画である。 平成28年度は、在宅療養の要となる在宅療養支援診療所が、どの程度、訪問看護事業所と連携をし、住み慣れた地域で安心して暮らせることに貢献しているかを調査した。 調査場所は自宅死率が国内でも低い佐賀県とし,佐賀県の在宅療養支援診療所/病院の活動状況の経年変化から,死亡場所に影響を与える要因を検討した. 九州厚生局に佐賀県における「在宅療養支援診療所に係る報告書」の開示請求を行い,同局に登録されていた在宅療養支援診療所2010年(140件),2011年(145件),2012年(147件),2013年(154件),2014年(158件)の活動状況に関する情報を収集した.なお,統計解析は,経年変化は対応有のt検定,死亡場所はステップワイズ法による重回帰分析を行った.有意水準5%未満とし,SPSSver23.0で行った. 2010年から5年間において,佐賀県の二次医療圏すべての地域において自宅死は増えていなかった.死亡場所に影響する在宅療養支援診療所/病院の活動は,訪問看護との連携が多いほど,自宅死(p<.001)での死亡が増えていた. 本調査結果では,在宅療養支援診療所/病院と訪問看護との連携が増えることにより,佐賀県の自宅死が増加することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務先移転、また、カリキュラム再編等により、予期せぬ業務が増えたため、研究期間の延長を1年間申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
予期せぬ入院を回避するためには、訪問看護師の予防的介入はもちろん重要であると考える。しかし、これまでの調査から、看護師と介護士が共に連携して、予期せぬ入院を回避し可能な限り住み慣れた地域で暮らしていくためには、看護職と介護職がいかに協働し業務分担していくのかにかかっていると考える。 しかし、看護職と介護職の協働に関しては、看護師または介護士がどのように役割分担し、何を協力して行っているのか曖昧である。そのため、それぞれの役割が明確でなく、看護師と介護士の協働促進に貢献可能な調査は少ない。そこで、看護と介護が共に働き訪問看護も行っている看護小規模多機能施設(以下、看多機)を利用している療養者に対して、看護師または介護士が何を率先して行っているのか、いわゆる提供されている看護・介護を数量化して把握することにより、看多機における看護職と介護職のケア行為を明らかにし、両者の望ましい業務分担の示唆を得ることとする。
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Causes of Carryover |
昨年度は勤務先移転、カリキュラム改正の準備、父の介護等から研究進捗が遅れたため、1年間の延長申請を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、昨年度から作成している在宅看護研究公開用のホームページの完成、また、現在既にデータ収集し終えている訪問看護師と介護士との役割分担に関する解析をする予定。
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Remarks |
平成28年度から在宅研究成果公開のためのホームページを本研究費から捻出し構築している。
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Research Products
(7 results)