2016 Fiscal Year Research-status Report
在宅非がん高齢者の終末期ケアを支えるチームアプローチモデルの開発
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26463513
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
酒井 昌子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60236982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 弘子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10265770)
片山 陽子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30403778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非がん疾患 / 多職種チーム / 地域医療連携 / 訪問看護師 / 予後予測 / チームアプローチ / 終末期ケア / 在宅緩和ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、最終年度として在宅非がん高齢者を支えるチームアプローチモデルを開発するために、訪問看護師を対象とした聞き取り調査を行った。調査内容は、終末期にある非がん高齢者の終末期の判断した時期とその根拠、終末期を判断した後のチームケアとして実践した内容についてであった。訪問看護師の聞き取り調査の結果から、終末期の移行への判断が困難な非がん疾患の病態軌道の特徴から、訪問看護師は高齢者の状態悪化を判断し緩和ケアへの移行として認識しつつも、悪化症状への対処として症状管理を行う医療方針との間にチームケア実践の難しさを認識していた。また、それぞれの事例において病状や医師の治療方針において個別性が強く、そのため、在宅非がん高齢者の終末期において緩和ケアのチームアプローチとしての特徴は明確にならなかった。そのため、さらに質の高い地域医療連携や緩和ケア実践をしている専門看護師を対象にして、尊厳ある死を目指す専門看護師の予後予測とチームアプローチに関するグループフォーカスインタビューを実施した。インタビュー内容は、専門看護師はがん・非がんに限らず終末期の緩和ケアへの移行をどのように判断し、ケアチームを形成し、チームアプローチを実施しているかについてフォーカスをあてたグループインタビューを実施した。 現在、インタビューを逐語にし分析を進めケアチームアプローチのための要件等の抽出をしている。28年度内に聞き取り調査分の統合のために研究を継続し、当初の研究目的である在宅非がん高齢者を支えるチームアプローチモデルの開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象を訪問看護師としたが、テーマである在宅非がん高齢者の終末期像が把握しにくく、緩和ケアのチームアプローチとしての実践の記述が困難であった。チームアプローチおよび地域連携のリーダーとしての専門看護師の調査協力の機会を得た。しかし、その調査実施は28年度後半だったため、年度内に研究目的である在宅非がん高齢者終末期ケアチームアプローチモデルを抽出できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅非がん高齢者の終末期ケア、緩和ケアへの移行は、医師との連携が要である。28年度調査から、在宅における緩和ケアチームアプローチの阻害要件および促進要件をとしてまとめ、非がん高齢者の看取りが多い訪問看護ステーションを対象にチームケアの実際について聞き取り調査もしくはアンケート調査を行い、在宅非がん高齢者の終末期チームアプローチモデルを開発する。
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Causes of Carryover |
28年度の研究計画において調査結果から明らかにできなかったため、調査対象を拡げ再調査を行ったが、時期が遅いためグループインタビューによる調査を行い、その結果、旅費やテープ起こし料が生じなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
再調査分析結果から、29年度前半にチームアプローチモデルを見いだすに必要な要点があれば焦点を絞った調査を行い、終末期ケアを支えるチームアプローチモデルを開発する。 非がん高齢者の看取りが多い機能型訪問看護ステーションに対象を絞り調査を行うため、その際発生する謝礼、交通費などに使用する。
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