2016 Fiscal Year Research-status Report
共有ツールを用いた多職種協働による自閉症スペクトラム障害児の地域支援モデルの構築
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26463528
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 宣子 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10157323)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10216658)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 多職種協働 / 地域支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究全体の第3段階と位置づけ、昨年度の研究成果を踏まえ、多職種協働による自閉症スペクトラム障害児の地域支援モデルを立案した。 昨年度に保健師3名を対象に実施した個別インタビュー調査について質的に分析した結果、保健師は、多職種協働の基盤である専門職間連携における自身の役割について、1)専門職それぞれの専門性を活かした連続性のある関わりとなるように調整する役割、2)ライフサイクルに応じた途切れない支援を調整する役割と認識していることが抽出された。一方、先述の専門職間連携における保健師の役割に関して、他職種には十分に認識してもらえず、このことが連携の阻害要因となっていることを危惧しており、専門職間連携における相互の役割認知の齟齬やその要因を検討する必要性が示唆された。 そこで、発達障害児支援における専門職間連携での保健師の役割認知と他職種に対する役割期待、他職種の保健師に対する役割期待を検討するため、文献レビューを実施した。医中誌Web及びJDreamⅢで2006年1月~2016年6月に発表された会議録を除く日本語文献を対象に「保健師」「連携」「発達障害」「児」「役割認知」「役割期待」をキーワードとして検索した。採用条件を満たす文献を入手し、更にその引用文献から該当文献を探した。関連性、優先性、品質の観点から内容検討を行い、マトリックス分析により文献統合を行った。66編から参考基準を満たさないものを除外し11編を得た。他職種は保健師に対して、関係者間での情報やビジョンの共有を図り、早期から関われる或いは地域のすべての子ども/住民を把握しているという保健師の強みを活かした一貫した支援を期待していた。系統的な発達支援システムには一貫性、関連性、継続性のある相談・支援が不可欠である。それらを継続的にコーディネートできる専門職の役割が重要であり、保健師にその期待が寄せられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の遂行上、当初予期していない事象が発生してしまったため、海外視察等による知見の統合に関して予定よりも遅れていることから、区分(3)を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の先行事例等からの知見を統合することにより、多職種協働の基盤である専門職間連携における専門職相互の役割認知と役割期待の齟齬を最小化するためのアイデアの醸成を目指す。
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Causes of Carryover |
研究遂行上、当初予期しなかった事象が生じてしまったため、海外視察の十分な調整ができず、旅費の予定額を当初予定のとおり執行できていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外視察に加え、国際共同研究の進行に伴う共同研究者との会議や研究成果の発表に係る経費の執行を予定している。
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