2017 Fiscal Year Research-status Report
共有ツールを用いた多職種協働による自閉症スペクトラム障害児の地域支援モデルの構築
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26463528
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 宣子 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10157323)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10216658)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 多職種協働 / 地域支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究全体の第4段階と位置づけて取り組んだ。昨年度に実施した調査の結果、専門職間連携における相互の役割認知に齟齬が生じていることが示唆され、その要因を検討する必要性が考察された。 そこで、今年度は、これまでの研究で明らかとなった専門職間連携における相互の役割認知の齟齬やその要因を検討するため、専門職間連携に関する評価指標の開発に取り組んだ。これまでに実施した文献検討や専門職へのインタビュー調査の結果を踏まえ、研究者間で討議し、評価項目を抽出および精選した。6名の看護職の協力を得て、精選された項目の内容妥当性を確認した。次に、精選された項目の信頼性・妥当性を検証するため、全国の地域保健機関(227施設)ならびに医療機関(166施設)の看護職約1100名を対象に郵送調査を実施した。調査データは収集中であり、今後、統計学的に分析し、信頼性・妥当性を検証する予定である。 加えて、発達障害や虐待等のリスクを抱える子どもに対する多職種協働に基づく包括的な地域支援を検討するため、台湾の研究グループの協力を得て、パネルディスカッションにより、文化的・制度的背景等を踏まえた日台の比較検討を行った。その結果、専門職間連携を促進するためには、1)保健福祉制度等のマクロレベル、2)組織間ネットワークのメソレベル、3)専門職の協働能力のミクロレベルの3つの側面を同時並行的に刺激する必要性が示唆された。この成果をまとめた論文は国際誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の目的をより精緻に達成するため、これまでに得られた成果を基盤とした調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票は現在、回収中であるが、今後、収集したデータを統計学的に解析し、信頼性・妥当性を検証する。また、研究の成果は学術雑誌等において発表することで社会に還元する予定である。
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Causes of Carryover |
研究課題の目的をより精緻に達成するため、これまでに得られた成果を基盤とした追加の郵送調査を実施したが、その分析に係る経費が必要となる。また、追加調査の成果を国際誌に投稿する予定であり、その投稿掲載料が必要なため、次年度使用額が生じた。
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