2015 Fiscal Year Research-status Report
小離島における行政保健師と診療所看護師との協働・連携モデルの開発
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26463536
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大湾 明美 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (80185404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 美和子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 名誉教授 (10070682)
田場 由紀 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (30549027)
山口 初代 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (70647007)
佐久川 政吉 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 准教授 (80326503)
伊牟田 ゆかり 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助手 (00588824)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 島しょ / 看護職 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄の小離島での看護専門職間の協働・連携の実態把握を行い、協働・連携が実践されているA島をモデル島として選定した。平成27年度は、モデルの開発に向け、モデル島での協働・連携の実際を行政保健師と診療所看護師から詳しく聞き取り、協働・連携の効果と課題について検討した。 第一段階として連携した事例について行政保健師と診療所看護師の双方から個別に提示し、その事例の概要と支援経過について把握した。その結果、行政保健師から診療所看護師と連携している事例は15例、診療所看護師から行政保健師と連携している事例として9例挙がり、共通事例は8例であった。特徴として、行政保健師は母子、精神、診療所看護師は高齢者を多く事例として提示し、共通事例は、島でのいわゆる多問題家族を挙げていた。 第二段階として、第一段階で得られた事例ごとの支援経過から保健師と看護師の連携(看看連携)の内容を取り出し、協働・連携の目的、効果と課題について聞き取った。 協働・連携の目的は、診療所看護師からは、協働のために情報提供、事例の支援の役割分担、行政サービス活用のため、生活状況把握や状態把握のための訪問依頼、支援方針やケア方法の相談や検討、ケアの依頼、家族調整の依頼などであった。行政保健師からは、身体状態や受診相談、行政サービスの活性化、個別のニーズから事業化への相談、島に必要なサービスの開発などであった。協働・連携の効果は、島で長く暮らしている診療所看護師は、支援に課題のある事例の情報を行政保健師に提供し訪問依頼でより事例の生活情報を把握し、支援に活かしていた。行政保健師は、地域での事例の生活情報を診療所看護師にフィードバックするとともに、サービスの活性化やサービスの開発の支援者として活用していた。協働・連携の課題は、事例ごとの協働・連携からサービスの活性化や開発につながっているがシステム化に至っていないことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル島を決定し、行政保健師と診療所看護師の事例ごとの協働・連携の実態を把握し、モデル化に向け分析をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の計画は、モデル島を決定し、参加型アクションリサーチを展開することであった。モデル島は決定し、行政保健師と診療所看護師の看看連携の実態の分析から協働・連携モデルの開発は可能と考える。そのため、今年度は、計画を修正したが研究目的は次年度で達成できる。
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Causes of Carryover |
モデル島では、行政保健師と診療所看護師はそれぞれの専門性を活かしながら協働・連携が行われているため、参加型アクションリサーチを実施していないことから旅費などが繰り越しになった。また、研究者と行政保健師・診療所看護師との面接日程がとりづらく、一部スカイプによる面接聞き取りを行うなどしたことで繰り越しになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は最終年度であり、実践者会議、専門家会議の開催及び成果発表を準備している。
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