2014 Fiscal Year Research-status Report
特定健康診査受診状況別の健診受診促進プログラムの開発
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26463567
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
桑原 ゆみ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (80295914)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 健診受診行動 / 特定健康診査 / 新規受診者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、40歳以上の全国民に実施されている特定健康診査の受診状況別に、特定健康診査の受診を促進するプログラムを開発し、実施・評価することである。 本年度の実施計画の目的①は、新規受診者プログラムの開発のため、新規受診者を対象に半構造化面接を実施し、健診受診に関する知識・態度・行動を質的に明らかにすることであった。一自治体の特定健康診査新規受診者のうち、研究協力に同意を得られて、面接したのは10人(女性6人、男性4人)、40~60歳代だった。新規受診となった背景・理由は、40歳になり対象となった(2人)、転入(3人)、転職(4人)、定年退職(1人)であり、面接時間は15~40分だった。質的内容分析した結果、健診受診に関する知識としては、健診時の検査内容や健診の効果等が語られた。健診受診に関する態度としては、受診した時やしなかった時の思い等が語られた。健診受診に関する行動としては、健診前の準備や健診日時の調整等が語られた。新規受診者は、これまで受けてきた健診と特定健康診査を比較し、受診方法や受診場所などの違いに戸惑っていた。一方で、保健師の予約時の対応や保健指導が丁寧で、より個別性が高く有用であると感じていた。つまり、これまで受けてきた健診に関する知識・態度・行動と、今回受診した特定健康診査に関する知識・態度・行動を比較し、評価していた。今後は、新規受診となった背景や理由が多様であるため、さらに対象者数を増やして新規受診者の面接を行い、データ収集するとともに、新規受診者の受診促進プログラムを開発していくことが課題である。 本年度の研究目的②は、不定期受診者支援プログラムの継続実施であった。当該年度では、これまで18人の不定期受診者に実施した支援プログラムを整理し、継続実施について一自治体保健師と検討・整理した。今後、整理した支援プログラムで支援していくことが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的①は、計画通り10人の対象者に面接し、分析を行った。また、その結果を、平成27年度に開催される国際学会でプレゼンテーションする予定である。一方で、新規受診者となった背景や理由が多様であることが明らかになったため、次年度にもさらに対象者を増やして、検討する必要性が示唆された。 研究目的②は、支援プログラムをより実施しやすくするために、当該自治体の保健師と支援プログラムについて検討・整理した。この検討に時間がかかったため、本年度中に新たな支援対象者を見出し、支援プログラムを実施するという段階までに至らなかった。 目的①と②を効果的に実施するために、研究①の実施に集中し、研究②は、次年度以降に本格実施していくこととした。 以上により、本研究は、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施した、新規受診者への面接から、新規受診者となった背景・理由が多様であることが示唆された。つまり、今回の対象とした10人よりも対象者数を増やして、さらに新規受診者の面接を実施する必要性が示唆された。そのため、当初の計画を変更し、平成27年度にも、新規受診者に面接を実施し、新規受診者の特定健康診査受診に関する知識・態度・行動を、質的に明らかにすることをさらに探究する。 一方で、未受診者の支援プログラムの開発のため、健診未受診者約10人を対象に、半構造化面接を実施し、質的内容分析を用いて、健診受診に関する知識・態度・行動を明らかにする研究を同時に進行していく。 当初の計画より、平成27年度の研究課題が増えることに対処するため、平成27年度は、これらの2つの研究課題を遂行することに集中し、平成28年度以降に、不定期受診者に対する支援促進プログラムを本格実施することとする。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、不定期受診者の支援プログラムを実施予定であったが、本年度は新規受診となったケースを発見し、その人々への研究依頼を行い、面接を実施することに、計画時よりも時間を必要とした。一方で、不定期受診者の支援プログラムについては、当該自治体の保健師との検討と整理に時間が必要であった。 以上のことから、本年度は不定期受診者の支援プログラムを実施せず、実施した際に予定していた支出が生じなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回使用しなかった経費は、次年度以降に不定期受診者の支援プログラムを実施する際に必要となる経費であった。そのため、今回の未使用の経費は、次年度以降に不定期受診者の支援プログラムを実施し、支出していく。
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Research Products
(1 results)