2015 Fiscal Year Research-status Report
保健師選択制を先駆的に実施した自治体と大学との協働による学生の到達度評価
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26463577
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鈴木 良美 東邦大学, 看護学部, 准教授 (90516147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90520776)
五十嵐 千代 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (20587787)
掛本 知里 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (60254562)
岸 恵美子 東邦大学, 看護学部, 教授 (80310217)
斉藤 恵美子 首都大学東京, その他の研究科, 教授 (90251230)
中田 晴美 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (90385469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健師 / 技術項目 / 到達度 / 基礎教育 / 学生 / 教員 / 選択制 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特別区保健師と特別区内7大学との協働に基づき、エビデンスに基づく指標を用いて、学生の到達度を学生・保健師・教員を対象として多角的・経年的に評価し、保健師選択制導入の成果と今後の課題を明らかにすることである。保健師の選択制実習2年目となる平成27年度には、以下の内容を実施した。 1.H25、26年度の調査報告:(1)選択制導入前年度のH25年度と導入初年度のH26年度に、学生・保健師・教員を対象に、厚生労働省の示した「保健師教育の技術項目と卒業時の到達度」(技術項目)の98項目を学生が到達できたかどうかを調査した。その結果、各対象ともH26年度の方が、学生が技術項目を到達できたと回答した割合が上昇していた。その背景には、実習期間や内容の充実などが考えられた。他方で、到達の割合が8割未満の項目も多いという課題も明らかになった(第4回日本公衆衛生看護学会学術集会の示説とワークショップで報告)。(2)同様の年度に、学生を対象に特別区の示した実習体験項目15項目の体験の有無を調査した。その結果、学生が体験できたと回答した割合はH26 年度に上昇した(第75回日本公衆衛生学会総会で報告)。(3)保健師を対象に選択制導入による学生の学びの変化等に関するインタビューを実施し、質的に分析した。学生の学びの深まりは、指導保健師の満足感やもっと伝えたいという意欲につながり、相乗効果となっていた(第75回日本公衆衛生学会総会で報告)。 2.平成27年度調査の実施と分析、報告:選択制導入2年目に当たるH27年度に、学生・保健師・教員を対象に、学生の到達度について質問紙調査を実施した。その結果を集計し、H25、26年度と比較しながら分析した。この結果は、研究者チームや、特別区の保健師・教員が集まる「特別区公衆衛生看護学実習を考える会」にて共有し、教育内容の改善を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に基づき、研究チームからなる運営委員会を実施し、特別区の保健師とも協議しながら調査を実施できている。さらに、学会や関係者に研究成果を報告するとともに、来年度以降の教育内容の改善について検討できている。 また、第4回日本公衆衛生看護学会学術集会では、本研究に関連する報告の一つである「特別区で選択的に実施した保健師選択制実習の成果と課題:第1報 学生の自己評価から」(鈴木良美、岸恵美子、宮城真樹、梅田里衣、麻原きよみ)が優秀ポスター賞を受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成28年度には、以下の内容を予定している。 1.運営委員会の実施:平成27年度に引き続き、教員研究チームの運営委員会を開催し、調査の運営、データの解釈、報告内容、調査結果に基づく教育内容の改善について検討する予定である。必要時、保健師も運営委員会に加える予定である。 2.調査の実施と分析:選択制3年目にあたる本年度は、学生・教員を対象に学生の到達度について継続的に質問紙調査を行う。収集したデータを統合して選択制前後の成果と課題を明らかにする予定である。 3.成果の普及と教育内容の改善:調査結果に基づく成果と課題を国内外の学会で発表するとともに、論文を執筆予定である。さらに、特別区の保健師・教員が集まる「特別区公衆衛生看護学実習を考える会」でも結果を報告予定である。研究成果に基づき、さらなる教育内容の改善を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
科研関連事務に関するアルバイトをお願いしていた方が、家族の転勤のために年度途中で不在となった。そこで、新たなアルバイトを探して依頼したものの、年間のアルバイトの勤務時間が予定よりも短くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、アルバイトとの年間の雇用契約を結び、年間を通じて業務を定期的に依頼して研究費を使用する予定である。さらに運営委員会の開催に係る交通費と会議費、調査のデータ入力と分析に係る謝金、学会発表の交通費、論文投稿に関する文献複写、書籍の費用、英文校正費や論文掲載費、上記の事務の実施に必要な消耗品費、通信費を使用予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] 東京都特別区における保健師学生の技術到達度に関する学生・教員・保健師による評価2015
Author(s)
鈴木 良美, 斉藤 恵美子, 澤井 美奈子, 岸 恵美子, 掛本 知里, 中田 晴美, 五十嵐 千代, 三好 智美, 麻原 きよみ, 永田 智子, 森 豊美, 神楽岡 澄
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Journal Title
日本公衆衛生雑誌
Volume: 62(12)
Pages: 729~737
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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