2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463578
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
嶋津 多恵子 武蔵野大学, 看護学部, 教授 (80184521)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健師 / 人材育成 / 意識変容 / プリセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
「組織変容を伴う保健師人材育成モデル」開発のための基礎調査として、文献検討、基盤とする理論の看護学における概念の分析、先行研究の検討を実施した。 1.保健師の人材育成、さらに保健師プリセプターシップに関する国内外の文献検討を行った。2.組織変容を伴う保健師人材育成の理論基盤として、Transformative learning theoryについて概念分析を行った。概念分析は、言葉の性質や使われ方に焦点を当てる属性理論を哲学的基盤としたRodgersによる概念分析を参考とした。その結果、「気づき」「混乱的ジレンマ」「省察」などの属性と、「教育目的」「教育課題」等の先行要因、「専門職としての意識変容」「教育力の向上」「社会改革」等の帰結をもたらし、保健師人材育成における学習プロセスに活用できる概念が抽出された。3.先行研究「保健師がプリセプターを担うことによる学び~自身と組織の変革~」で得たデータを、認識の変化に焦点付けて再分析し、「保健師としての意識変容」、「組織の一員としての意識変容」の2つのコアカテゴリーと12のカテゴリーが導かれた。これらを次の段階の横断的記述的研究として行うモデル構築の際の構成概念および下位尺度として活用する。 2.の成果については、第3回 日本公衆衛生看護学会学術集会で示説発表を行い、当該分野のエキスパートや研究者から意見を求めた。3.の成果については、日本看護科学学会誌に投稿し、34号に原著論文として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度に予定していた、文献検討、概念分析、先行研究の再分析までは進行したが、それらをもとに行う予定であった概念枠組みの検討、構成概念および概念から尺度および下位尺度、質問項目の作成、パイロットスタディを実施するまでには至らなかったため。一方、学会および学術誌での成果の公表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検討、概念分析、先行研究の再分析の成果をもとに、概念枠組みの検討、構成概念および概念から尺度および下位尺度、質問項目を検討し質問紙を作成する。パイロットスタディを実施し、作成した質問紙の信頼性・妥当性の検証と質問項目の精錬を行う。その後、全国の自治体に所属する保健師を対象に本調査を行い、回収したデータからモデルの開発を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた質問紙作成、パイロットスタディによる質問紙調査が実施できず、次年度に予定しているため。 質問紙の妥当性の検討は、研究計画時においては数名の公衆衛生看護学領域のエキスパートから表面妥当性・内容妥当性の検討のための意見を得る予定としていた。しかしさらに、質問紙における自作の尺度の信頼性・妥当性の検証のため、質問項目の少なくとも10倍の回収データが必要となる予備調査も計画している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パイロットスタディでは、質問項目の少なくとも10倍程度の配布・回収を予定している。パイロットスタディにより、質問紙の精錬を行ったうえ、全国の自治体を対象とした本調査を実施し、データ解析、モデル開発を実施する。さらにパイロットスタディの学会発表等により、専門家から広く意見を求め、調査結果の解析、表現方法や活用方法、課題等の参考とする。
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Research Products
(2 results)