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2014 Fiscal Year Research-status Report

睡眠および食習慣の乱れに起因した生活習慣病動物モデルの確立と病態解明

Research Project

Project/Area Number 26500014
Research InstitutionTohoku Pharmaceutical University

Principal Investigator

八百板 富紀枝  東北薬科大学, 薬学部, 講師 (00382672)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords粉末食 / 情動行動 / 高架式十字迷路試験 / 血圧 / レム睡眠 / 断眠
Outline of Annual Research Achievements

睡眠および食習慣の乱れは、生活習慣病の発症と強く関連し、その症状には身体的なものだけではなく、情動行動の障害などの精神的なものもある。これまで、マウスにおける長期間の粉末食飼育がsocial interactionの障害を生じることから、食習慣の質的な低下が不安関連行動の異常を発現することへの関与を報告している。本研究では、この不安関連行動の異常を多角的に検証するため、別の試験方法、すなわち高架式十字迷路試験を用いた検討を行った。その結果、粉末食群では、オープンアーム滞在時間割合および総アーム進入回数の有意な増加が認められた。これらのことは、粉末食飼育が不安関連行動の障害の発現に関与することを支持する。さらに、睡眠の乱れの影響を検討するため、断続的断眠を負荷したマウスにおいて、高架式十字迷路試験を行なった。その結果、断続的断眠負荷群において、粉末食群と同様の結果が認められたことから、睡眠の乱れもまた、不安関連行動の異常の発現に関与することが示唆される。
一方、粉末食群では血圧上昇が認められることを既に報告しているが、この上昇は、給餌される飼料形態の差異に起因した噛む行動、たとえば顎の運動が、粉末食群では不足していることに起因するのかどうかを探るため、以下の実験を行った。すなわち、粉末食群のマウスを、1か月間、1日2時間、筒に固定し薄いプラスチックプレートを自発的に齧らせる群と筒に固定するだけの群に分けて飼育を行ったとき、血圧に変化があるかどうかについて検討を行った。その結果、両群間に有意な差は認められなかった。これらのことは、咬筋への負荷が不足すること以外の因子が血圧上昇に関与することを示唆する。
以上のことから、本実験系は、睡眠および食習慣の乱れに起因した生活習慣病の動物モデルとなり得る可能性が示唆され、症状発現機構の解明および特異的な治療法の開発に有用と考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウスにおける断続的断眠負荷あるいは長期間の粉末食飼育により、いずれも高架式十字迷路試験の障害が認められ、その障害の発現を経日的に明らかにすることができたため、次年度の研究計画に着手する条件が整ったと考えられる。従って、おおむね順調に進展していると判断する。しかしながら、断続的断眠負荷群における身体的症状についての検討は十分ではない。

Strategy for Future Research Activity

研究計画の通り、睡眠や食習慣の乱れに起因する精神的な症状の発現に関与するホルモン(インクレチンなど)ついて検討を行う予定である。その方法としては、ホルモンの血中濃度測定、ホルモンの投与、あるいは阻害薬の投与を予定している。また投与経路として、末梢投与および脳室内投与も検討し、症状の発現が中枢性に起因するか否かについての検討を行う予定である。さらに昨年度において十分ではなかった断続的断眠負荷群における身体的症状についても検討を行う予定である。

Causes of Carryover

発表した学会が福島および宮城と所属する機関(宮城)に近い場所で開催されたため出張旅費がそれほどかからなかったことから、その分が次年度使用額になったと考えられる。
また、断続的断眠負荷群における身体的症状の検討に十分着手できなかったため、その動物を購入するための金額が次年度使用額になったと考えられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

昨年度に十分でなかった部分を進めるとともに、学会発表も研究期間内でバランスがとれるよう計画的に行いたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014

All Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 睡眠や食習慣の乱れに起因した精神神経障害動物モデルの作製2014

    • Author(s)
      八百板富紀枝
    • Organizer
      平成26年度東北薬学セミナー(日本薬学会東北支部)
    • Place of Presentation
      宮城県仙台市
    • Year and Date
      2014-12-06 – 2014-12-06
    • Invited
  • [Presentation] 断続的断眠ストレス負荷誘発性異常行動に対するADHD治療薬の効果について2014

    • Author(s)
      名村幸大、八百板富紀枝、永澤佑佳、西館俊介、髙橋由衣、土谷昌広、荒井裕一朗、根本亙、中川西修、只野武、丹野孝一
    • Organizer
      第53回日本薬学会東北支部大会
    • Place of Presentation
      福島県いわき市
    • Year and Date
      2014-10-05 – 2014-10-05
  • [Presentation] 長期粉末食飼育による低不安行動の発現におけるGABA-A受容体の関与2014

    • Author(s)
      西館俊介、八百板富紀枝、名村幸大、髙橋由衣、土谷昌広、荒井裕一朗、根本亙、中川西修、只野武、丹野孝一
    • Organizer
      第53回日本薬学会東北支部大会
    • Place of Presentation
      福島県いわき市
    • Year and Date
      2014-10-05 – 2014-10-05
  • [Presentation] 食習慣の質的低下がマウス不安関連行動に及ぼす影響について2014

    • Author(s)
      八百板富紀枝、西館俊介、髙橋由衣、名村幸大、土谷昌広、荒井裕一朗、根本亙、中川西修、只野武、丹野孝一
    • Organizer
      第65回日本薬理学会北部会
    • Place of Presentation
      福島県福島市
    • Year and Date
      2014-09-26 – 2014-09-27

URL: 

Published: 2016-05-27  

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