2014 Fiscal Year Research-status Report
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26500017
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
舩橋 利也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70229102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 都 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20450611)
藤岡 仁美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50410064)
萩原 裕子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90468207)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パッチクランプ法 / 学習課題 / AMPA受容体サブユニット / 栄養状況 / 海馬 / 粉餌 / 性差 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目的は、餌の形状によって脳の高次機能が性特異的に変容する事、その機序の1つに海馬のAMPA受容体サブユニットの構成の変化がある事を、ラットを用いて検証した。特に今年度は雌性ラットに焦点をあてた。具体的には、Wistar雌性ラットを離乳直後から餌を通常型(固形=Hard)にした場合と柔らかく(粉状=Powder)した場合にわけ、7-8週齢で成熟してから以下の実験を行なった。1)行動解析として、高架式十字迷路、受動的回避学習、Morris水迷路を行った。その結果、高架式十字迷路や受動的回避学習には差がなかったが、Morris水迷路では、粉状型で飼育した場合に、良い成績を示した。2)電気生理学的解析として、パッチクランプ法により急性スライスをもちいて、AMPA受容体のサブユニット構成を調べた。その結果、rectification index(RI)が餌を通常型から粉状型にすると約2.0になった。つまり、RIがあがりGluR2-lacking受容体があるということを電気生理学的に示した。3)海馬を摘出し、液体窒素で凍結した。サンプルから定型的に蛋白質を抽出し必要ならシナプトソーム分画にする。サンプルは、SDS―ポリアクリルアミドにて電気泳を行い、メンブレンに転写し、化学発光法にて検出した。その結果、粗蛋白では、通常型と粉状型で飼育した場合に差がなかったが、シナプトソーム分画にしたところ、AMPA受容体サブユニットGluR1が刺激依存性にSYNAPSEに挿入されることを確認した。さらに、粉状型で飼育した場合にはAMPA受容体サブユニットGluR2が減少することから、AMPA受容体サブユニット構成が粉状型で飼育した場合には変化する事が生化学的にも明らかとなった。とくに831番目のGluR1のアミノ酸が鍵を握っている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべて予定どおりに進んでいる。特に、餌の形状でAMPA受容体サブユニット構成が変化することを、電気生理学的、かつ、生化学的に明らかにできたことは、大変意義のあることである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、シナプス機能の解析として、その予備能力ともいえるLTPの誘導について、役割も含めて、行動や生化学的な解析、電気生理学的な解析を行う。
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Causes of Carryover |
節約したため消耗品に若干の余裕が出た
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
節約に務めるが消耗品で使用する
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