2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設での安全安心な入浴介助のためのモーションセンサを用いた視線・視野推定法
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26502003
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
来田 宣幸 京都工芸繊維大学, その他部局等, 准教授 (50452371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 彰彦 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (50257888)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者施設 / 入浴介助 / 安全 / 安心 / モーションセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
老人福祉施設での入浴介助は,介助者の身体的・精神的負担が高いという問題がある。そこで,実際の入浴介護現場の入浴介助場面をプライバシーに配慮して撮影し,得られた映像を専門職の目で分析した。その結果,8ケースの危険箇所を抽出できた.危険箇所の特徴の類型化によって,入浴介助者の視野方向や介助者同士のコミュニケーションなどの原因が明らかとなった.これらの知見に基づき,状況に応じた回避方法に応じたマニュアルを作成することによって,安全に入浴介助を行うステムの構築の可能性が確認できた. また,浴室は滑りやすく転倒のリスクが高いため気を抜くことができず,集中力の持続が要求され精神的な負担が高くなる.特に,認知症高齢者の場合には予測不可能な動きが多いために常に意識を集中させる必要がある.転倒や溺水などの事故を未然に防ぎ,介護者の精神的負担を軽減することは重要な課題である.そこで,入浴介助中の転倒を未然に防ぐために介護者の見守りスキル及び被介護者が死角に入らないようにすることを目指してモーションセンサを用いたシステムの妥当性と信頼性を検討し,有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験室における視線・視野推定精度の検証実験が非常にスムーズに実施することができたため,研究成果の発表を国内外で実施することができた.さらに,当初の計画以上に伸展しているため,実際の入浴場面における危険箇所を抽出する課題にも本年度は取り組むことができ,開発・実装するシステムを用いた効果評価・判定において定量的な分析をおこなうための観点を抽出することができた.以上のことから当初の計画以上に伸展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り,実際の老人介護施設における視線・視野推定法の検証実験を進めていく.その際,映像を使用せずにモーションセンサ等だけで推定する方法の場合,位置推定の精度がやや低くなる可能性があるため,プライバシーに配慮した形で映像を使用するなど,可能な限り推定精度を高める工夫をおこなう.
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Causes of Carryover |
2015年度中に実施予定であったデータ処理が年度をまたいだために消耗品等にかかる費用として残高が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発生した次年度使用額を用いて取得したアイマークレコーダの数値処理およびデータ収集を年度早々に実施する.
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Research Products
(2 results)