2014 Fiscal Year Research-status Report
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26502013
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
高本 香織 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (30550264)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 異文化間ケア / 異文化コミュニケーション / 異文化適応 / 外国人看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の位置づけを明確にするため、先行研究を学際的に調査することを主な研究目的とした。特に、異文化間ケア先進国であるアメリカの現状を調査し、異文化間ケアの問題に関する国際的な視野を得ることに努めた。米国中西部の病院にて聞き取りを行ったほか、米国で働いているフィリピン人看護師から聞き取りを行った。アメリカ国内でも地域によって異文化間ケアの様相には大きな違いがあるため(例:多様な文化・民族が共存している都市部と多様性が比較的低い地域など)、米国で働く外国人看護師の異文化適応経験は複雑で一般化して論じることはできないが、看護師は患者の病気だけでなく、患者や患者家族の文化的背景も含めて把握するように努めており、文化的な要因には特に注意を払っていることがわかった。この調査の結果を踏まえて、国内の外国人看護師の状況と海外での状況をまとめ、異文化コミュニケーション学会(Society for International Education, Training, and Research, Japan)の年次大会(平成26年9月27日)において“異文化間ケアのコミュニケーション:開かれたケアの現場を目指して”と題する研究発表を行った。また、米国を中心とした海外の外国人看護師の異文化適応に関する先行研究を調査し、その調査結果の一部を麗澤大学大学院言語教育研究科紀要「言語と文明」に“外国人看護師の異文化適応:アメリカを中心に海外の事例から”と題する論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、本研究の位置づけを明確にするため、先行研究を学際的に調査することを主な研究目的とした。特に、異文化間ケア先進国である海外(主に米国)の先行研究を調査し、本研究に国際的視野を持たせることを主眼に置いた。その点では概ね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は引き続き国内外の先行研究の動向を調査しながら、外国人看護師の聞き取りを再開し、ケアの現場における生きられたコミュニケーションと異文化適応の経験についての本質的理解を深める。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査の録音データを文字起こしするために予算を確保しておいたが、文字起こしの作業を来年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取り調査の録音データを文字起こしするために使用する予定。
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