2015 Fiscal Year Research-status Report
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26502013
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
高本 香織 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (30550264)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 異文化間ケア / 外国人看護師 / 異文化適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引き続き先行研究を学際的に調査した。特に異文化間ケア先進国であるアメリカを中心に海外の外国人看護師の異文化適応に関する文献を調べ、①適応プロセスに共通する課題は何か、②課題となっている文化的差異はどのようなものか、③課題を乗り越えるためにどのようなストラテジーが取られているかをまとめた。①の適応プロセスに共通する課題としては、特に適応初期において多様な試練に立ち向かわなくてはならないこと、部外者としての自己アイデンティティを認識し周囲に受け入れてもらわなくてはならないこと、言葉の壁、新しい職場文化に適応しなければならないこと、キャリアにおいて勝ち抜くための試練を乗り越えること、などが挙げられた。また、②の文化的差異としては、言語の違いだけでなく、対人スタイルの違い、問題解決のスタイルの違い、看護実践の違い、文化的価値観の違い(例えば”アサーティブネス”)が、そして③のストラテジーとしては非言語コミュニケーションによる補足と仲間同士のサポートがあげられた。今後の研究の課題としては、文献調査を続けながら、海外での結果を参考に日本での適応経験を調査し、共通の課題、文化的差異、ストラテジーを明らかにするとともに、日本特有の現象があればそれについての理解も深めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度に引き続き先行研究の調査を行うことを主な研究目的とした。海外の文献を調査することで、日本の異文化間ケアの現場で働く外国人看護師の異文化適応の理解に示唆を与える知見を得ることができた。その点では概ね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は文献調査を主に行ったが、今後は国内外の外国人看護師の聞き取り調査を行いデータを取りたい。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査対象者(国内&海外)が見つからず、調査のための旅費がかからなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外で聞き取り調査に協力してくれる外国人看護師を探して、調査の旅費等に使用する予定。
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