2015 Fiscal Year Research-status Report
介護予防政策として高齢者サロン活動の有効性に関する理論・実証分析
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26502020
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
古川 明美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (90390278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 徹 徳島大学, その他の研究科, 教授 (90309732)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 高齢者サロン / 要介護認定 / 残存歯数 / 社会関連性指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の介護予防に対する対策として、わが国が直面している少子高齢化に対し、持続可能な高齢化社会の構築をいかなる手法によって達成するかについて現状の分析から検討を行った。わが国の社会保障制度は、1960年代の人口をもとに策定されてきた経緯がある。しかしながら、医療技術の進歩・改善によって、高齢者の寿命が延伸し、人口構造が大きく変容した。高齢者の寿命の延伸は社会保障関係費の増大を招き、国や自治体の財政状況の逼迫は、自治体の社会関係保障費の抑制への誘因となることが予想される。全国統一化されている要支援・要介護認定率が地域ごとに差異が生じている。この点に着目し、 徳島県内の市町村データをもとに実証分析を行った。2007年から2011年の厚生労働省のデータをもとに65歳以上人口10万人当たりの介護施設収容定員数および居宅介護サービス事業所数を用いて要支援・要介護認定率に与える要因分析をし、徳島県の徳島市とその他の市町村については格差が生じていることを明らかにした。 徳島県美馬市の65歳以上高齢者を対象にアンケート調査を実施し、高齢者の残存歯数と社会関連性指標および日常習慣との関連について、自記式郵送法で連結不可能匿名化にて調査を行った。その結果、高齢者の年齢が高くなるほど残存歯数が減少する。また、新聞の購読の機会が多い高齢者の残存歯数が多い。喫煙習慣のある高齢者は残存歯数が少ない。さらに「地域特性」として美馬市において地域差がみられるという結果を得た。この論文は、日本歯科医療管理学会雑誌に原著として掲載された。 博士学位論文として、持続可能な高齢化社会の介護予防に関連する研究ー徳島県の事例よりーを発表した。今後、高齢者サロンが地域の高齢者の介護予防としての効果を調査する。その方法として、インタビューにより行い論文として発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徳島県美馬市の65歳以上高齢者の調査を行い、残存歯数と社会関連性指標および属性との関連について、論文として、日本歯科医療管理学会雑誌に原著として掲載された。しかし、高齢者サロン参加が、介護予防としての効果については、調査ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年は、高齢者サロンが、介護予防としての効果をインタビュうーすることで測定し、論文として学会へ発表する。 1冊の本にまとめることで、高齢者サロンの必要性を広く推進していきたい。今後、高齢者の増加する地域社会で高齢者がいつまでも住み慣れた地域で安心した生活ができるように、健康寿命延伸について研究に真摯に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
本年度において、高齢者サロン参加者にインタビュー調査をするためにパソコンおよびステレオICレコーダー等を購入すること、および旅費等の支出のために、翌年分の請求としました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高齢者サロン参加者の介護予防としての効果を見るためにインタビューし、その後分析を行う。現地への旅費、インタビューの解析、研究発表、論文の作成等に使用する。
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Research Products
(4 results)