2015 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本におけるマス・メディア受容と現代芸術の文化学
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26503003
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Research Institution | Institute of Advanced Media Arts and Sciences |
Principal Investigator |
松井 茂 情報科学芸術大学院大学, その他の研究科, 准教授 (80537077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博之 独立行政法人国立美術館国立国際美術館, 学芸課, 主任学芸員 (20231722)
伊村 靖子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館・情報資料室, 企画課, 研究補佐員 (60647931)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マス・メディア / 現代芸術 / 現代美術 / テレビ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、昨年度に引き続き、マス・メディアと現代芸術をめぐる研究課題の対象として、建築家、都市デザイナー、思想家の磯崎新、テレビ・ディレクターの今野勉、美術家の高松次郎の研究を実施。 マス・メディアと現代芸術の関係を創造力とした、日本万国博覧会における磯崎新の役割を解説する論文、「「かいわい」に「まれびと」が出現するまで――「お祭り広場」1970年」を執筆した。 昨年度発見した、高松次郎が出演するテレビ番組「アトリエを訪ねて」(TBS、1974年4月27日放送)をもとに、同番組の再放送を含む、「ニュースの視点 いま、なぜ、高松次郎か?」(TBSニュースバード 、2015年4月22日放送 、45分)を制作。マス・メディアに残された現代美術の映像資料の調査、活用を実施し、テレビ局と美術館と大学間における、アーカイバル・リサーチの体制を模索する機会を提示することができた。 研究会「戦後日本におけるマス・メディア受容と現代芸術の文化学」を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の展覧会やシンポジウムで得られた知見を活用し、今年度もまた、当初の予定以上に、論文の発表、テレビ番組の制作といった研究成果を出すことができた。また本研究を主題とした研究会の開催も実現し(http://www.iamas.ac.jp/14424)、川崎弘二(電子音楽研究)、馬定延(東京藝術大学、公益財団法人日韓文化交流基金招聘フェロー)、赤羽亨(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授)、田坂博子(東京都写真美術館学芸員)、ケン・ヨシダ(カリフォルニア大学マーセド校准教授)、原久子(大阪電気通信大学総合情報学部教授)、金山智子(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)、飯田豊(立命館大学産業社会学部准教授)等と討議し、議論を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの研究成果を反映した研究会を実施し、国内外の関連領域の研究者を招き、マス・メディアと現代芸術の関係性を討議し、「メディア・イベント」というキーワードを新たに見出すことになった。最終年度は、いま一度、戦後日本における多様なメディアと芸術をめぐる現象の分析を実施し、文化学としての研究成果を得られるように、論文の発表と共に、シンポジウムの実施を予定している。
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Causes of Carryover |
研究発表が、外部からの依頼によって実現したケースが多く、当初予定していた予算を節約できたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現時点では、最終年度のシンポジウム費用に充当することを検討している。
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Research Products
(8 results)