2015 Fiscal Year Research-status Report
「1945年東京都市写真データベース」構築による都市の写真記録に関する基礎的研究
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26503014
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10277832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市写真 / 空襲 / 写真アーカイブズの活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
米国国立公文書館にて、①RG80"General Records of the Department of the Navy"(米海軍撮影写真)②RG111"Records of the Office of the Chief Signal Officer"(米陸軍通信隊撮影写真)③RG243"Records of the United States Strategic Bombing Survey"(戦略爆撃調査団撮影写真)④RG342"Records of United States Air Force Commands, Activities, and Organizations"(米陸軍航空軍撮影写真)これら4つの記録主体を横断する形での写真の収集を行った。 今年度は、これまでに米国立公文書館で収集した写真を、<物語的な解釈>を排して、時間軸、空間軸に沿った形で以下の観点から整理/編集していった。 1)クロニクル ~空襲エリアを時系列的に追える形で写真をセレクトし、同エリアで被災した日本人による手記と地図を併記した形で編集した。2)視線を追跡する ~多岐にわたる米軍写真を以下の3つの形で編集した。①皇居を一周する、②山手線を一周する、③隅田川/荒川を巡る。3)エリア ~以下にあげる10のエリア別に整理した。①浅草、②日本橋・京橋、③銀座、④新橋・虎ノ門、⑤築地・湊・月島、⑥芝、⑦芝浦・台場、⑧立川、⑨武蔵野、⑩朝霞 4)消えた風景、消えた場所 ~戦時下において現れ、特徴的といえる風景をや場所を以下の6点からまとめた。①なくなったもの、②偽装建築、③防空壕、④防火体制、⑤高射砲陣地、⑥捕虜収容所 この視点に基づき、2015年12月に『米軍が見た東京1945秋 ~終わりの風景、はじまりの風景』と題して、洋泉社より上梓した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米国での調査は想定以上の成果を上げていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
国内での資料収集(菊池俊吉による写真)も2015年度より本格的に着手し、2016年度は成果を上げることを見込んでいる。その上で国内外の写真を一つにまとめて構築したデータベースにより、調査研究の総括を行う。
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Causes of Carryover |
国内での資料調査が進捗したために、2回予定していた米国での調査を1回としたため、予定額から差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米国での調査を二回行うとともに、これまでのデータ整理のためにPCを新規に購入する。
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Research Products
(1 results)