2015 Fiscal Year Research-status Report
台湾先住民の「民族」自治:中国と周辺地域における脱植民化
Project/Area Number |
26503018
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 平 大阪大学, 文学研究科, 研究員 (80632116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 自 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (10390717)
山本 達也 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70598656)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 台湾先住民 / 中国少数民族 / 回(民族) / チベット(民族) / 民族自治 / 資本主義 / 脱植民化 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
8月に代表者は、花蓮地区のトゥルク(太魯閣)の脱植民化運動に関する調査を行い、トゥルク民族自治準備委員会主任委員らにお話を伺った。また花蓮で行われた「原住民運動30年」シンポジウムに参加した。 10月に代表者は、台湾先住民「トゥルク(太魯閣)対日戦争史国際シンポジウム」に招かれて中国語でトゥルク民族の脱植民化と日本の植民地責任に関する報告を行った。台湾人研究者のみならず、花蓮県の先住民トゥルクの地方文化工作者との討論を行えたことは有意義であった。 11月に研究会を開催し、台湾先住民と脱植民化、インド在住チベット難民と焼身自殺問題、中国少数民族論について討議した。 また10月には京都で、科研費「帝国日本の移動と動員」(代表:今西一、大阪大学)による国際シンポジウム「敗戦70年―東アジアの脱植民地化」を共催として行った。台湾史の研究者らを台湾などから招き、連合軍占領時期と在日朝鮮人、アジア・太平洋戦争後の沖縄、台湾における脱植民化の問題をつなげて考える試みとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「トゥルク(太魯閣)対日戦争史国際シンポジウム」において、花蓮県の先住民トゥルクの地方文化工作者との討論が行われ、日本植民主義とその責任のあり方に対して厳しい意見が提出され、脱植民化の問題系の探究が喫緊の課題であることを再確認し、また励まされた。身分の条件などに制限のある者がいるなか、研究代表者、分担者共におおむね順調に研究を進展させている。分担者は単著を上梓した。
|
Strategy for Future Research Activity |
代表者は台湾先住民の植民主義の歴史の捉え直し、ならびに中国との関係性などについて調査研究を行う。分担者は、中国雲南省の少数民族地域における民族自治に関する調査研究、またチベット難民社会とホスト国インドの関係性などについて調査研究を行う。
|
Causes of Carryover |
27年度に実施予定であった調査計画について 、調査協力を受ける予定でったカウンターパートが日程的に協力が困難になるとともに、28年度に予定している計画と抱き合わせで調査を行う方が効果的かつ効率的であるとの代替案があったため、27年度予定調査を含めて28年度に実施することにした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国雲南省の少数民族地域における民族自治に関する調査を、計画通り実施する予定である。
|
Research Products
(7 results)