2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26503019
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
李 春子 神戸女子大学, 文学部, 非常勤講師 (40535788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑子 敏雄 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (30134422)
野間 直彦 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80305557)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東アジア / 水 / 伝統の森 / 持続 / 保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本企画は、東アジアにおける水を巡る「伝統の森」の文化の資料化である。2015年度は、2014年度行った調査地の中で、祭礼を中心に調査を行い、写真撮影と共に文化誌の記録を行った。更に日本と韓国で新たな調査を実施して、合計95ヶ所の調査と記録を行った。伝統の森の「空間位置」・「植生・生育状況」・「由来・文化誌」を1ヶ所につき1枚の「文化誌図鑑」形式で、作成を行った。これまで調査研究で、明らかになったのは大きく次の三点である。 1、東アジアにおける水を巡る「伝統の森」の空間位置は、「水源涵養林」、「河畔林」、「里の森」、「海辺林」として類型できる。その多くは、人々が日々の生活や様々な思いで、木々を植えて作られた森が多いことが分かった。 2、祭礼調査では、地域社会は水を巡る宗教・象徴的意味と共に地域社会がお互い連携して、協力する仕組みが祭礼を通して表されることを確認できた。 3、「伝統の森」の持続的保全は、地域社会、行政、そして民間団体の協力が重要であることを確認できた。なお、これらは、今後論文にまとめる。また、2015年度は資料化のみならず、海岸林の実践的保全の為、地域社会と行政の共同参加の意見交流会を2015年6月25日佐賀県虹の松原と10月20日韓国蔚山市で行った。そして、1、2、3の成果を2016年3月5日滋賀県立大学でワークショプを開催して、共同メンバー等8名により発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、2014年度植生・生育調査を行った85ヶ所の内に日本と韓国の特徴的な祭礼がある伝統の森を中心に調査を行い、写真撮影と共に文化誌の記録を行った。日本と韓国の新たな調査を10カ所行い、合計95ヶ所の調査と記録を試み、企画当初の目標55カ所を大幅多い調査地の記録ができた。文化誌図鑑の完成と共に日本の水を巡る伝統の森の論文を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾の水を巡る伝統の森を「マングローブ林」に着目して、現地調査を行い、文化誌に追加を行う。東アジアにおける水を巡る「伝統の森」100ヶ所を、1カ所に1枚の森の植生・生育状況と文化誌の資料化を完成する。 日本と韓国の「伝統の森」を河畔林、海辺林の文化と持続保全を論文にまとめる。また、台湾と沖縄県の水を巡る伝統の森を、マングローブ林に着目して比較の視点で考察する。これらを統合して、東アジアにおける水を巡る「伝統の森」と持続保全をテーマにした論文を年度末まで完成予定である。
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Research Products
(7 results)